糖鎖の役割

糖鎖はアミノ酸や核酸が生命鎖を作るのと異なり、多くの構成単糖とその結合様式によって構成されるため構造がきわめて多様性に富んでいます。新生タンパク質の50%以上が糖鎖と結合し、細胞表面も糖鎖でビッシリ覆われ、さらに脂質と結合し神経細胞のシナプス形成や突起の伸長にも関与し、糖鎖は広く深く生命現象にかかわっています。主な役割は以下の5つです。

1.配送の荷札としての糖鎖の役割

糖鎖は、食物などの種類や性質を速やかに認識し、必要な物質を選別して行き先や、体内での蓄積を指示したり、体外へ排泄します。

2.身分証明書としての糖鎖の役割

糖鎖は、赤血球、白血球、血小板や血液型のタイプ(ABO式のA、B、O、AB型)の識別や正常細胞と異常細胞の識別などの判断をします。

3.品質管理の糖鎖の役割

糖鎖は、傷ついたり古くなることで、糖鎖の一部が切れたり無くなると、それらを分解して新陳代謝を促します。この働きにより、例えば薬の効果を長く持続させることが可能になります。

4.分解・破壊から保護する糖鎖の役割

糖鎖は、酵素による分解や熱などによる破壊から細胞やタンパク質を守ります。この働きにより、例えば移植臓器の保存液ができます。

5.投薬を輸送する糖鎖の役割

糖鎖は、投薬された薬を糖鎖の種類ごとに必要としている器官に輸送し付着させます。

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