書籍紹介「還暦からの底力」出口治明 著
還暦からの底力
出口治明 著 ISBN978-4ー06-514987-4
還暦からの底力を発揮するうえで重要なポイントは、色眼鏡(その人の価値観や人生観)をできるだけ外して、フラットに周囲の物事を見ることです。「数字・ファクト・ロジック」で、エピソードではなくエビデンス(証拠)で世界を見ることです。そうすれば根拠のない不安で心配することはなくなりますし、根拠が明らかな問題は原因が明確なので打つべき手を打てるようになります。根拠のない常識や不毛な精神論に縛られて「もう年だから」と年齢を隠れ蓑にして自分にブレーキをかけることもなくなるでしょう。「年齢フリー」で考えることが還暦からの底力を発揮するうえで重要なのです。
人生は楽しくてなんぼです。楽しい人生をおくるためには行動しなければなりませんが「人・本・旅」できちんと学んで腹落ちしないと本気の行動はできません。だから勉強や学びは一生続ける必要があります。
もう一つ重要なのが、健康寿命を延ばすことです。人生100年時代を楽しもうと思ったら、健康であることが大前提です。大事なことは平均寿命より健康寿命で、医者は口を揃えて「健康寿命を延ばすには働くことが一番いい」といっています。なぜ、働くことが一番いいのか。それは規則的な生活をもたらし、かつ頭と身体を使い続けるからです。「働かなくても規則正しく運動すればいいだろう」そんな反論もあるでしょうが、でも人間は怠け者なのですぐサボります。仕事をしていたら大雨でも職場に行き、身体も頭も使います。仕事は仕組みとしてサボれないのが素晴らしいところです。だから健康寿命が延びるのです。
敬老思想から脱却し、きちんと「数字・ファクト・ロジック」で考えていけば高齢化社会の将来は暗くはないし、人はいくつになっても楽しい人生を過ごすことができます。
人生の楽しみは喜怒哀楽の総量で決まる!!
2020年10月15日 9:03 カテゴリー:書籍紹介
書籍紹介「貧乏国ニッポン」加谷珪一 著
貧乏国ニッポン
加谷珪一 著 ISBN978-4-34498ー591ー9
新型コロナウィルスの感染拡大で危機に直面する日本経済。政府の経済対策は諸外国に比べて貧弱で、日本の国力の低下ぶりを露呈しました。実は、欧米だけでなくアジア諸国と比較しても、日本は賃金も物価も低水準。
本書は、日本が諸外国から見て安い国になってしまった現実と、その原因、そして対処方法について解説する目的で執筆されました。
1.日本はこんなに「安い国」になっている
日本にやってくる外国人観光客の多くが、実は、安い買い物を目当に来日しています。日本だけが諸外国から取り残され、近い将来、日本人がアジアに出稼ぎに行く日がやってくる可能性も高い。
2.安さだけでない、日本の転落
日本の国際的な地位がここ10年で急速に低下し、1989年に1位だった世界競争力ランキングが、2019年は30位まで低下、実質賃金もここ30年間、ほとんど上がっていません。
3.なぜここまで安くなってしまったのか
日本企業の労働生産性が低く、競争力が下がり、経済成長ができていないことが最大の原因です。
4.モノの値段はどう決まるのか
モノの値段は、大雑把には、短期的には需給で決まり、長期的には中央銀行が供給する貨幣の量で決まりますが、今は過剰なマネーが銀行に眠っている状態で、需要不足で物価が上がりません。
5.そもそも経済大国ではなかった
為替ルートは物価との相関性が高く、最終的には為替は物価で決まります。生活実感に近い購買力評価で決まります。
6.日本の強みをどう生かすべきか?
1億人の消費市場と経常黒字を積み上げた資本蓄積の強みを生かす仕組みを構築すること。
下がり続ける給料、福祉、国際競争力。新型コロナウィルス不況はほんの序章に過ぎない!!
2020年10月1日 8:53 カテゴリー:書籍紹介
書籍紹介「残酷な進化論」更科 功 著
残酷な進化論
更科 功 著 ISBN978-4-14-088604-5
地球には様々な生物がいる。その中で、現在ヒトという類人猿の1種が大繁栄をしている。でもそれは、たまたま現在の地球で繁栄しているということであって、別の場所や時代に行ったら、どうなるかはわからない。いや、100年後ですら、どうなっているかわからないだろう。
私たちヒトは進化の頂点でもないし、進化の終着点でもない。私たちは進化の途中にいるだけで、その意味では他の全ての生物と変わらない。それに、いくら進化したって、環境にぴったりと適応する境地には辿り着けない。そのことは、ある場所に昔から住んで適応している種を、しばしば外来種が簡単に駆逐してしまうことからも明らかだ。環境に「完全」に適応した生物というのは、理想というか空想の産物であって、そんな生物はいない。あくまでも生物は(もちろん私たちヒトも)「不完全」な存在なのだ。
私たちはヒトという種を特別視する傾向があるけれど、それはおそらく脳が大きいからだろう。しかし、約4万年前に絶滅するまではネアンデルタール人の方が私たちより脳が大きかったわけだし、そもそも、脳が大きい事がいい事か悪い事かも微妙である。ヒトはどんどん進化しているけれど、進化というのは単に変化することであって、よくなる事も悪くなる事もある。
また、生きる事も崇高な目的があるわけではなく、生物にとっては生きる事自体が目的であって、それは大腸菌も同じである。つまり、ヒトって、大した事はないのだ。オンリー・ワンであるけれどもナンバー・ワンではないのだ。ヒトという種が偉い思っている人には、ある意味進化というのは残酷なものかもしれない。だって、ヒトを特別扱いしてくれないから。
・ヒトは、心臓病・腰痛・難産になるように進化した。
・ヒトは、腸内細菌の力を借りなければ、食事も1人でできない。
・人類よりも優れた内臓や器官を持った生物は山ほどいる。
最新の研究を明らかにする、人体進化の不都合な真実!!
2020年9月17日 8:42 カテゴリー:書籍紹介