書籍紹介「疲れない人の脳」有田秀穂 著

疲れない人の脳
有田秀穂 著 ISBN978-4-8379-2824-9

疲労というのは、よく眠れば解消します。しかし、よく眠れない。そして、朝から体が重い、やる気が湧いてこない・・・。そこで、病院に行って検査をしても、身体的異常は見つからず「慢性疲労症候群」と診断名がつけられ、睡眠薬が処方されたり、「様子を見ましょう」という事になります。

なぜ、「何が原因かわからないのか」それは疲労の原因は体でなく「脳」にあるから。実は脳の疲労には「大脳の疲れ」と「心の疲れ」があります。パソコンやスマホなどのデジタル機器を長時間連続して使う事で大脳を酷使し続ける事により「大脳の疲れ」が発生します。一方、様々な心労(精神的ストレス)が積み重なり、大脳辺縁系(情動脳)の「扁桃体」が刺激され「不安・怒りの神経回路」は記憶(海馬)とつながりストレス状況から解放されても、ちょっとしたきっかけでストレス状況にいる記憶が思い出され、繰り返し「不安・怒りの神経回路」が刺激され続けます。さらに、「心の疲れ」は視床下部の「ストレス中枢」を活性化させ、副腎皮質からストレスホルモン(コルチゾール)が分泌され、「覚醒中枢」のセロトニン神経の働きを抑制します。

では、脳を疲れさせない、または、疲れない脳をつくるには、どうすればいいのでしょう。その鍵となるのが脳幹で作られる「セロトニン」でセロトニン神経を活性化するものは①太陽の光 ②リズム運動(歩行・咀嚼・呼吸)の二つです。

太陽光を浴びて体を動かせばセロトニン神経が活性化され、朝から夕方まで、慢性疲労を解消し怒りを切り替える「前頭前野」(人間性の脳)の血流が増加し、思考・記憶・意欲さらに集中力がスムースに発現します。夕方から夜までは「心地よいスキンシップ」であるグルーミングによって、脳内のストレスを解消(コルチゾールの分泌を抑える)するオキシトシンが分泌され、同時に、セロトニン神経も活性化されます。そして、夜からはセロトニンの残りから作られる睡眠物質のメラトニンの分泌により快眠が得られます。セロトニン、オキシトシン、メラトニンの3つの脳内物質を上手に増やすことが「疲れない脳」を作る鍵となる。

セロトニン研究の第一人者による「慢性疲労」を消す技術!!

2021年4月1日 8:51  カテゴリー:書籍紹介

書籍紹介「がん」は止められる 落合孝広 著 

「がん」は止められる
落合孝広 著 ISBN978-4-309-50410-0

従来のがん治療は、抗がん剤、手術による切除、放射性治療、免疫療法など、いずれもがん細胞を叩くか、取り除くというものでした。しかし、今後のがん治療は「がんの転移を防ぐ」という方向にシフトしていくでしょう。それは治療による人体への負荷が大幅に小さくなることを意味しています。また、従来の腫瘍マーカーよりはるかに正確に血液1滴からがんを早期発見することができるようになりつつあります。

その鍵を握る物質が「エクソソーム」です。エクソソームとは細胞から放出され、直径が1万分の1mmほどのごく小さな「細胞外小胞」です。外側に膜があり、なかにはもとの細胞に由来する何種類かの物質が詰め込まれたカプセルのようなものです。エクソソームは、私たちの体の中のあらゆる細胞から放出され、血液などの体液とともに私たちの体の中を巡っています。そして、体液の中のエクソソームを交換することで細胞どうし、臓器どうしがコミュニケーションを図っているらしい事が分かってきました。さらに、そのエクソソームには、マイクロRNAが含まれていて、そこには何らかのメッセージが書き込まれ、それによって、相手の遺伝子に影響を与えています。マイクロRNAには様々な種類があり(今では2600種類ある事が分かっています)それぞれ機能が異なり、細胞に何らかのストレスが加わると動き出します。そして、がんの種類によってマイクロRNAのあらわれ方は異なり、マイクロRNAを見れば、がんの出自が分かる。つまり何のがんか特定できます。

また、がん細胞は、転移先の組織に向けて、エクソソームを放出し、メッセージカードであるマイクロRNAを発動させ、がん細胞が定着しやすい環境を整え、後からやってくるがん細胞を誘導して、そこに転移することも分かってきました。

細胞たちは微小物質「エクソソーム」で会話をしている!!

2021年3月18日 8:58  カテゴリー:書籍紹介

書籍紹介「感染症の日本史」磯田道史 著

感染症の日本史
磯田道史 著 ISBN978-4-16-661279-6

歴史上、人類が直面してきた最大の脅威とは何でしょうか。多くの人々が命を落とす点では、戦争、地震や洪水などの自然災害、そして何より感染症です。このうち、最も確実にやってきて、最も多くの死者を出してきたのが「ウィルスによるパンデミック」です。20世紀以降に限っても、1918年流行が始まった「スペイン風邪」、1957年の「アジア風邪」、1968年の「香港風邪」、2009年の新型インフルエンザ、そして今回の新型コロナウィルスと、数10年に1度の頻度で世界中に広がる感染症の大流行が起きています。なかでも突出しているのが、今から100年前に起きたスペイン風邪(新型インフルエンザ)です。当時の世界人口は約18億人で、少なくともその半数から3分1が感染し、死亡者は全世界で、5,000万人(国内で45万人)と推定されています。なお、第1次世界大戦の戦死者は1,000万人とされています。

そもそも「コロナウィルスの歴史」はいつ始まったのでしょうか。

過去の6つのウィルスの遺伝子を解析すると、ヒト型コロナウィルスが初めて出現したのは、およそ紀元前8,000年頃という説が有力です。その時代に「農耕革命」と「定住化」が起こり、西アジアで羊、山羊、豚の「飼育」が始まり「都市」ができて感染症の大流行が頻繁に起こるようになりました。その後の大航海時代以降「ヒトの移動」がそれを増幅しています。今回の新型コロナウィルスにはワクチンも特効薬も開発されていません。未知の感染症のパンデミックに、十分な薬剤や治療法なしに襲われている点では、ある意味、近代以前にも似た未知の状況に置かれていると言えます。

それへの対処には必然的に歴史が必要になります。感染経路、感染条件、衛生状態などの違いはあっても、以前に襲ってきた時の様子を知っておくと似たことがまた起きる場合もあり、感染症を生き延びるうえで、役に立つからです。一級の歴史家が平安の史書、江戸の随筆、100年前の政治家や文豪の日記などから、新たな視点で日本人の知恵に光をあてています。

歴史を紐解けば「給付金」も「出社制限」も「ソーシャル・ディスタンス」もすでにあった!

2021年3月4日 9:33  カテゴリー:書籍紹介

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