書籍紹介「ゼロコロナという病」藤井聡・木村盛世共著
ゼロコロナという病
藤井聡・木村盛世共著 ISBN978-4-8191-1402-8
本書は「リスク心理学」や各種の社会指標の時系列データを分析しつつ適切な公共政策のあり方を探る「社会工学」の専門家であり元内閣官房参与の藤井聡先生と「感染症学」の専門家であり元厚労省医系技官の木村盛世先生が対話した内容をまとめたものです。両者は現状のコロナ感染症の実態はまさに「ゼロコロナという病」である点で一致しています。
1.藤井聡先生
私達は、特定のリスクだけでなく、様々なリスクに晒されています。にもかかわらず、その中のたったーつのコロナリスクだけを過剰に意識し、そのリスクをゼロにするために全精力を傾けそれ以外のリスクが「ないがしろ」にされています。事実「自粛」をはじめとしたコロナ対策のために広がった失業や倒産、うつ病、そして数千人とも言われる自殺者の増加に対する対策には、さして大きな注意が向けられず「コロナ禍」による社会的、経済的被害は拡大の一途を辿っています。また、コロナ対策として絶対的に必要な「コロナ対応病床の拡充」や「水際対策」、さらには「高齢者保護」等の基本中の基本というべき対策がお座なりにされ、かえってコロナの感染症被害を拡大するという不条理な帰結をもたらしています。ちなみに「自粛」と「感染抑制」との関係(2020年2月19日~2021年5月25日)を統計的に分析すると、両者の間に相関がありません。
2.木村盛世先生
当初は未知の感染症でしたが、このウィルスはSARS、MERSの様な致死性の強いものでない事、多くの人にとっては無症状で風邪か通常のインフルエンザ程度の致死性ですが、高齢者が感染すると重症化しやすい事が明らかになりました。にもかかわらず、なぜ、過剰な現象が起こるのでしょうか。それは、データと向き合っていない事に尽きると思います。そのデータとは、毎日の感染者数(PCR陽性者数)だけでなく、どのくらいの比率で重症化しやすいか、どんな人が重症化しやすいか、他の疾患と比べてどれほど重症化する人や死亡する人が多いか、といった相対的な比較データです。
テレビ・専門家・医師会・分科会を徹底批判!!
2021年8月5日 8:45 カテゴリー:書籍紹介
《夏期休業のお知らせ》
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2021年8月4日 8:55 カテゴリー:お知らせ
書籍紹介「免疫の守護者制御性T細胞とはなにか」坂口志丈 著
免疫の守護者制御性T細胞とはなにか
坂口志丈 著 ISBN978-4-06-517284-1
体内にあるT細胞の「自己免疫」は一律ではなく、自らの細胞に敏感に反応して攻撃し、自己免疫疾患を引き起こす危険があるものも存在する。しかし、制御性T細胞は、こうした自己に過敏に反応するT細胞の免疫応答を抑制する事で、自己免疫疾患やアレルギーの発症を食い止めている。
しかし、制御性T細胞の数が減少したり、機能異常が起きると、関節リウマチ、Ⅰ型糖尿病、多発性硬化症、全身性エリテマトーデスなどの自己免疫疾患が起きるし、花粉などに反応する様になれば、アレルギーが起き、また、腸内細菌に反応する様になれば炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎とクローン病)が起きる。実は、がん組織には、制御性T細胞が過剰に浸潤している事も分かっている。
そこで、制御性T細胞をうまく操る事ができれば、多くの人を苦しめている様々な自己免疫疾患、炎症性疾患、アレルギー疾患、がんなどの治療が可能になると考えられている。また、臓器移植やこれから増えていくだろう人工多能性幹細胞(iPS細胞)などを用いた細胞治療(再生医療)の際に問題となる拒絶反応も抑えられる様になる可能性がある。薬剤による免疫抑制ではなく、自らの体内にもともと存在し、免疫抑制機能に特化した制御性T細胞を用いれば、体に優しくより生理的な治療法となるはずだ。
私たちの免疫系は、なぜ自己の細胞や抗原に対して反応しないのか?免疫学の最大の謎ともいえる「自己免疫寛容」の解明に長年取り組んできた著者が世界で初めて発見した「制御性T細胞」。免疫学にパラダイム・シフトをもたらし「がん」や「自己免疫疾患」の治療や「臓器移植」に革命をもたらすとされる研究の最前線に迫る。
2021年7月15日 8:54 カテゴリー:書籍紹介