書籍紹介「騙されない老後」 池田清彦 著

「書籍紹介」 騙されない老後
池田清彦 著 ISBN978-4-594-08687-9

世の中の人がとりわけ騙されやすいテーマが「安全」「健康」「環境」である。COVID-19の感染拡大防止のための自粛要請はその典型だが、がん検診や健康診断を半ば強制するのだって、すべて「健康」を口実に利権を得るためでしかない。さらには、地球温暖化の原因がCO2の人為的排出であると言い張るのも、そのバックにはCO2利権で巨額の利益を得ている企業の存在がある。地球の温暖化が進んでいると思い込んでいる人は驚くほど多いが、実際には根拠に乏しく、はっきり言えばウソである。

そもそも温暖化の決定的証拠とされたのは、20世紀後半になってから気温が急上昇している事を示した「ホッケー・ステック曲線」だが、それが捏造であった事は海外では有名な話だ。地球温暖化は1997年にスットプし、21世紀に入ってからは世界の平均気温はむしろわずかだが下がっているという、イギリスの気象庁とイースト・アングリア大学CRU(気候研究ユニット)が発表したデータもあるし、北極海の夏の海氷面積はこの10年増減を繰り返し、消滅する気配などない。シロクマも絶滅するどころか、ここ10年で頭数は30%ほど増えている。日本人の多くがこの事実を知らないのは、こうした事実を不都合に感じる権力によって報道が差し控えられているせいである。もしもこれらの事実に驚く様なら、自らの騙されやすい素地に自覚的になった方がいい。

これから老後を迎える人や、すでに老後を生きている人にとっては、「安全」や「健康」は重要なテーマだと思われるが、真実を知り、自分で考え、真っ当な判断をしなければ、本当の安全や健康は手に入らない。そもそも老人だからかくあるべきというのも、もしかしたら、騙され続けた結果の思い込みかもしれないのだ。権力に従順でいるだけでは豊かな老後は過ごせない。大事なのは何が最善であるかを自分の頭で考えて、自分で決めるという事だ。健康も安全も何が最善かを決められるのは自分だけです!!

賢くしたたかに老後を生き抜く知恵と教養!!

2022年7月21日 8:42  カテゴリー:書籍紹介

書籍紹介「腎臓が寿命を決める」黒尾 誠 著

書籍紹介「腎臓が寿命を決める」
黒尾 誠 著 ISBN978-4-344-98644-2

私たちが、いつも通り生命活動を行う事ができるのは「腎臓の体内恒常性を保つ管理・調整機能」が働いているお陰です。

1.腎臓の濾過機能
腎臓は血液を濾過して、体の中の「必要なもの」と「不必要なもの」を仕分け、体内の成分のバランスを調整しています。

(1)濾過機能の主役は「ネフロン」で、1本のネフロンは「糸球体」と「尿細管」で構成されています。(左右で平均200万本)
(2)糸球体は毛細管の塊で、大きなものは残し、小さなものだけを尿細管に入れて、約180Lの原尿をつくります。
(3)尿細管では、原尿中の有用成分を体に必要な分だけ再吸収して、血液中に戻します。再吸収後に残る約1.8Lが尿として排泄されます。
(4)ネフロンは加齢とともに減少し、さらに一度減ったら回復も再生もしません。そのため、ネフロンは数が減っても相当な予備を蓄えています。

2.リンが老化を加速する
(1)リンは、約80%はカルシウムと結合して骨にストックされ、残り20%は細胞膜やDNA、ATPなどに関わっています。
(2)リンが血中で多くなると、骨からリンの排泄を知らせる「FGF23」が分泌され、それが腎臓の「クロトー遺伝子」に作用して、通常は体外に尿として排泄されます。
(3)しかし、体外に排泄されないリンが多くなり、血中濃度が増すと、タンパク質と結合したリン酸カルシウムのコロイド粒子(CPP)が増え、病原体の様に「細胞毒」となり、血管、臓器、細胞が石灰化により不調や疾患が発生します(非感染性慢性炎症)。
(4)一方、余分なリンを腎臓から尿に排泄する際、リン濃度の上昇により、原尿中にCPPが発生し、尿細管のネフロンが減少します。従って、「血中リン」だけでなく「尿中リン」も問題を起こします。

3.老化加速物質のリンを体内に増やさない方策
(1)食品添加物に含まれる「無機リン」は体内吸収率90%以上なので、極力避ける。
(2)体を動かし「リンを骨に封じ込める」。流出すると「細胞毒」として作用します。
(3)リン吸着薬やCPP抑制薬を処方する。但し、前者は「高リン症」のみ、後者は「骨粗鬆症」のみ保険適用で、それ以外は適用外となっています。

45歳以上の25%はすでに危険な状態!リンは老化と寿命を左右する!

2022年7月7日 8:32  カテゴリー:書籍紹介

書籍紹介 「歯を疑え!」丸橋 賢 著 

書籍紹介 「歯を疑え!」
丸橋 賢 著 ISBN978-4-344-03858-5

従来の全人医学には、肝要の歯が抜け落ちています。実は歯にこそ生命活動を支える主柱の役割があるのです。しかし、「口の中しか見ない」歯の治療では、患者さんの身心の問題改善どころか、歯の治療さえ難しい。

著者は口の中から全身の健康を向上させる治療を全人歯科医学と名付けて、歯が重要な役割を担っている以下の四つの条件を整える事を重視しています。

(1)食のバランスを整える (2)体のバランスを整える (3)心のバランスを整える (4)運動と休養のバランスを整える

(1)食のバランスを整える
学会が提唱する歯周病の病因はプラーク原因説ですが、それでは治らない歯周病があまりにも多い。そこで、来院患者の実証分析によって、「歯周病になりにくい食」は、カロリー、脂質、たんぱく質が控え目でビタミン、ミネラル、食物繊維が豊富である事を見出しました。

(2)体のバランスを整える
体の歪みは、体の重心のズレによって引き起こされ、その原因のほぼすべては歯の咬み合わせのズレによって起きる下顎位のズレつまり偏位です。そこで、下顎が上下、左右、前後にどの程度偏位しているかを診断し正中(正しい位置)を定めます。次にその位置に下顎を誘導してシリコンを咬ませ、インスタントのマウスピース(スプリント)を作り、その後の治療を行います。

(3)心のバランスを整える
神経系も血管も脊柱(頸椎、胸椎、腰椎など)に沿って走っていますから、それが曲がると、神経系にも不具合が生じます。中枢神経が歪むと脳の働きも不具合を起こす。また、近年、エピジェネティクスによって遺伝子の働きが、心の状態などによって左右される事も明らかになっています。

(4)運動と休養のバランスを整える
適度な運動は必要ですが、咬むという運動の重要性も決して忘れてはいけません。従って、必要な栄養素が含む食品をジュースにして飲んでも咬む運動が欠落し、体も脳もダメになります。また、早寝早起きに勝る休養法はありません。

原因不明の心身の苦しみ(頭痛、腰痛、手足のしびれ、不眠症、ウツなど)の犯人は「歯」かもしれません!
医療の常識を変える全人歯科医学の力!!

2022年6月16日 8:39  カテゴリー:書籍紹介

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