書籍紹介 医者が「言わない」こと 近藤 誠 著
書籍紹介 医者が「言わない」こと
近藤 誠 著 ISBN978-4-620-32742-6
患者さんや一般の方がたは、医者から告げられず、隠されている事はたくさんありますが、国民の大部分に影響する重要事項としては1.人間ドックなどの「健康診断」2.がん検診 3.高血圧などの「生活習慣病」4.がん手術と抗がん剤治療に関する事実や真実 があります。
1.人間ドックなどの「健康診断」
人間ドックは日本で開始(1954年)されましたが、真似る国はありません。さらに、欧米には職場や市町村が実施する健康診断はありません。1991年のフィンランドの比較試験などで健診が無効・無意味だとする資料があるからです。
2.がん検診
2016年の「英国医師会雑誌」で様々な部位(肺、大腸、乳、卵巣、前立腺)の「がん検診の比較試験」を調べたところ、どの部位の検診も人命を救えたという証拠やデータがないと発表されています。実はがん検診は「無効である」というのが学者たちの共通認識です。
3.高血圧などの「生活習慣病」
(1)日本高血圧学会の比較試験
①放置群に比べ、降圧群では、脳梗塞の発症数が6割増え、がん発症数が4.5倍となりました(2000年)。
②ゆるめの降圧に比べ、きつめ降圧では、脳梗塞が20%増え、総死亡数は29%増加しました(2008年)。
(2)日本の大規模調査(2015年)では、総コレステロールも悪玉コレステロールも値が高い人が死亡率が低い、つまり長生きする事が判明しています。
(3)米国での比較試験(2008年)では血糖値の「ゆるめ治療群」(A1Cが7.0~7.9)、「きつめ治療群」(A1C6.0未満)の3.5年後の中間解析では、「ゆるめ治療群」に比べ、「きつめ治療群」の総死亡率が27%増加し、この試験は中止されました。死因はほぼ間違いなく「低血糖発作」による脳死と考えられています。
4.がん手術と抗がん剤治療
(1)手術による「がんが暴れる」2つのパターン
①メスが入った箇所に病巣が育ついわゆる「局所再発」
②肝臓や肺などに潜んでいた転移病巣(特に休眠がん)が急に増大する「臓器転移」
なお、転移する能力のあるがん細胞は生まれたとたんに転移を始める(2017年NEJM)。
(2)抗がん剤治療
固形がんには抗がん剤は効かない事は専門家の間では自明の理。さらに、国立がん研究センター中央病院(2009年)が最後の抗がん剤投与から、全患者の12.6%が30日以内に、半数が100日以内に亡くなっていると発表しています。
医療業界を恐れない医師からの警鐘「病気」は医者がつくりだす!!
2022年12月1日 9:07 カテゴリー:書籍紹介
書籍紹介「緑内障の真実」深作秀春 著
書籍紹介「緑内障の真実」
深作秀春 著 ISBN978-4-334-04614-9
(1)失明原因の第一位(30%)の緑内障は網膜神経節細胞やその枝である軸索の視神経が障害され、神経線維の消失と神経節細胞の細胞死による視野欠損です。
(2)視野計で測る視野欠損は20%から50%近くの神経節細胞が障害されないと、視野異常が検出されません。
(3)脳は記憶に基づいて、見えない部分を見えているように解釈します。また、片目でなく両目で見ると、両方の目で補い合うので、さらに視野障害を感じません。従って、片目ずつ隠して物を見てみるという習慣をつけなと緑内障の発見は遅れます。
(4)現在は、網膜神経節複合体の障害はOCT(光干渉断層計)で測定できるので、早期での緑内障診断もしやすくなっています。但し、直接視神経をチェックする技術が必要となります。
(5)さらなる問題として、緑内障の本質を患者だけでなく医師も「眼圧が高くて起きる病気」としてしか認識していません。
(6)また、角膜の歪みで測定する正常眼圧は角膜が厚いドイツ人が基準になっていますので、角膜の薄い日本人では眼圧が低く計測されて、正確に測られていません。
(7)緑内障の30%は眼圧上昇が原因と考えられていますが、それだけでなく、残りの70%は視神経への栄養や酸素供給のための血流不足や視神経への機械的圧迫などが原因であると推測されています。
(8)初期のうちは点眼薬も効果的ですが、中期以降では点眼薬では進行を抑るのが非常に難しく、手術が必要となります。
(9)ところが、いくつもある眼圧を下げる緑内障手術を適切かつ完璧に行える眼科外科医が日本には非常に少なく「緑内障は点眼薬で進行は遅くできても、治癒する事はなく、ゆっくりと進みながら失明する」と信じられています。
(10)さらに著者の研究で緑内障は白内障と密接な関係があり、白内障は、時間差で緑内障を引き起こす事が判明しています。
(11)また、長い眼軸による強度近視や、逆に短い眼軸による遠視眼でも緑内障が起こる事も分かってきました。
世界最高レベルの眼科外科医が緑内障の正しい知識と最新の治療法を解説!!
2022年11月24日 9:11 カテゴリー:書籍紹介
書籍紹介「本当に役立つ栄養学」佐藤成美 著
書籍紹介「本当に役立つ栄養学」
佐藤成美 著 ISBN978-4-06-528080-5
私たちの体を作っている、毎日口にする様々な食べ物。コーヒーや食物繊維、脂質など、かつて悪者扱い、もしくは取るに足らない物だった食べ物にも色々と良い働きがある事が、科学的にわかってきました。一方で、一見科学的根拠に基づいていそうなダイエット法や健康商品にも、体に良い作用がない物や摂りすぎると害になる物もあります。栄養素、体を作る成分、体の中の代謝という働きについて、正しく知って、病気や認知症予防、ダイエットのヒントにして下さい。ここでは、数例紹介します。
1.塩分不足も骨などに影響
汗や尿、便とともに放出されるナトリウムの量は食塩の摂取量に依存しており、ナトリウムの摂取量が少ないと、カルシウムやマグネシウムが体から失われます。
2.お酒はほどほどに
痛風の原因となる尿酸は、体内のプリン体が分解されてできます。体内で産生される尿酸の方が圧倒的に多いので、食べ物から摂取されるプリン体は以前ほど重視されていません。現在では肥満、高血圧、中性脂肪さらにはアルコールの摂取量の方が懸念されています。
3.酵素を摂ってもダイエットや健康には寄与しません
酵素は体内の細胞で必要に応じて合成される物で、体外から取り込んでも、タンパク質でできていますから、消化されて、活性は失われます。また、活性があったとしても作用する相手は決まっていますので体内で作用するとは限りません(酵素の基質特異性と作用特異性)。
4.コレステロールは体に悪いのか
コレステロールの多くは生体内で合成(80%)されかつ、バランス作用であるため、食事からのコレステロール(20%)は、ほとんど影響はありません。動脈硬化を予防するにはコレステロールよりも食事全体のエネルギーを減らす事が大事です。
健康でありたいのは誰もが願う事。でも健康は運動や生活習慣、ストレスなど様々な要因によって築かれるものです。体に良い食品を食べるだけで健康になる事はありません!!
2022年11月10日 8:54 カテゴリー:書籍紹介