書籍紹介「脂肪を落としたければ食べる時間を変えなさい」柴田重信 著
書籍紹介「脂肪を落としたければ食べる時間を変えなさい」
柴田重信 著 ISBN978-4-06-528350-9
体内時計と生活リズムのズレを解消し、メタボ習慣を改める方法は、要約すると「朝、光を浴びよう」「朝食をしっかり食べよう」「夕食から翌日の朝まで12時間以上の絶食時間をつくろう」の3つです。より詳しくは以下の通り。
1.朝の「光」と「朝食」が断食の第一ステップ
(1)24.5時間周期の体内時計と外界(24時間周期)とのズレは朝の「光」で脳の視交叉上核にある「主時計」を「朝食」によるインスリンの働きで、それ以外のいたるところにある「末梢時計」をリセットし、時計を一日の始まりに合わせる。
(2)夕食から翌朝の朝食までの12時間断食により体重の低下、BMIを改善させる。
(3)但し、断食時間が余り長くなると、オートファジーが過剰になり、分解された脂肪が肝臓にため込まれ脂肪肝となったり、高齢者の筋肉が減少しサルコペニアのリスクが高まる。
2.「いつ」「何」を食べれば心も体も健康か
(1)朝食は遅くとも午前9時までにとり、インスリンが出やすい糖質、体内時計のリセットを高める魚の脂に含まれるDHAやEPAとタンパク質をとる。
(2)昼食を抜くと、夕食後の血糖値スパイクが起こりやすくなる。
(3)夕食は糖質の割合を抑え、軽めにかつ就寝の2~3時間前までに終わらせる。
(4)夜食は、睡眠をもたらすメラトニンの影響で、インスリンの分泌が減り肥満のもとになる。
3.体内時計と睡眠および腸内細菌
(1)睡眠障害は、精神的ストレス、痛み、うつ病、薬の作用などでも発症するが、体内時計の乱れでも起こる。
(2)体内時計が乱れると、腸内細菌のバランスや作用も乱れ肥満を防ぐ短鎖脂肪酸の産出が減る。
4.体内時計と運動
(1)日中の運動は体内時計を前進させるが、夜の運動は後退させるので避けたほうがよい。
(2)朝の運動より、夕方の運動のほうが血中の脂肪を分解するホルモンも、分解された遊離脂肪酸も多いので、脂肪が燃焼しやすい。
(3)筋肉をつけるには、朝食でタンパク質をとり、体温も代謝も高まっている夕方に筋トレすると効果が高い。
(4)日中は破骨作用が主に働き、夜は逆に造骨作用が働くので、夕方に運動すると、その効果が夜に出始めて造骨作用が高まる。
時間の視点があれば、ダイエットの効果も運動効果も高まる!!
2023年4月6日 9:53 カテゴリー:書籍紹介
書籍紹介「学校の中の発達障害」本田秀夫 著
書籍紹介「学校の中の発達障害」
本田秀夫 著 ISBN978-4-8156-1583-3
発達障害の子の学校生活を支援するためには「多数派」「標準」「友達」に合わせなくてもいいーこれは「発達障害の子に世間一般の基準に合わせる事を求めて、無理をさせてはいけない」という事を意図しています。とはいえ、学校とは、集団活動が多くそのためのルールもいろいろと設定されています。まさに「多数派」「標準」「友達」に合わせる最たるところです。
発達障害の子の学校生活を支援するためには、親と学校の先生との協力が欠かせません。そして協力するためには、発達障害や学校、教育、学習といった事について、共通理解を持つ事が必要です。著者は学校生活を支援するときの基本的な考え方は以下の5項目であるといいます。
(1)学校とは【社会に出るための土台づくりをする】場所である
(2)学力とは【自発的に学ぶ力】である
(3)教育で大事なのは、子どもの【モチベーション】を伸ばす事
(4)発達障害の子は【小学校入学】から、特別支援教育を利用する
(5)共生社会とは相性最悪な人たちがお互いに【リスペクト】する社会
成績や学歴よりも、子どもの好きな事、得意な事に目を向けて、子どもができない事に無理に取り組んだりせず、自発的に力を伸ばす事で、学ぶ事にモチベーションを持てるようにしましょう。学校生活について悩む事があれば「モチベーション」と「リスペクト」の2つのキーワードを思い出してください。子どもを追いつめるのは、もうやめませんか?そのために今日から行動をとれば登校できない子どもは減り学ぶ喜びを感じる子どもが増えいくはずです。これからの学校はそういう場であってほしいと願っています。
学級選びから友達関係、学力の悩み、不登校まで子どもたちの困りごとをすべて網羅!!
2023年3月16日 8:53 カテゴリー:書籍紹介
書籍紹介 「SDGsの大嘘」池田清彦 著
書籍紹介 「SDGsの大嘘」
池田清彦 著 ISBN978-4-299-02966-9
世はまさにSDGs(持続可能な開発目標)ブーム。国連サミットで「2030年までに達成すべき目標」として17項目に分けて設定されており、日本でも政府や企業が様々な取り組みを進めている。しかし、17の目標はどれも立派なものばかりだが、その一つひとつを検証すると矛盾に満ちていて、突き進んでいくと、間違いなく世界は今より悪くなる。利益を得るのは、一部の国や企業などほんの一握りの人々だけであり、世界全体でみると、損をする人、貧しくなる人のほうが圧倒的に多くなる。そして、この「負け組」の方に、日本が組み込まれてしまう恐れがあるのだ。
17項目のうち特に7つの項目はエネルギー、食料、水、生物多様性に関する目標で驚くほど矛盾だらけで間違いなく看板倒れになるに違いない。加えて、地球の持続可能性を考えるうえで、およそ欠かす事ができない人口問題(人口抑制)が含まれておらず、目標を徹底的に追求すると、人類は間違いなく“地獄”へ直行していく。
また、欧米を中心とした安い労働力を確保したいグローバル資本主義は「人口が増え続ける」という状態が続いてくれないと困るという現実がある。そもそも「再生可能エネルギーは実は太陽エネルギーの奪い合い」であり、人間やその他の野生動物などが得られる「食料の量」は陸上と水界の光合成の量によって決まりそれには「上限」が存在する。
実は、日本と同様ヨーロッパもエネルギー資源に乏しい。そこで、ヨーロッパはゲームのルールを自分たちに有利にするためにSDGsを進め、太陽光、風力、水力などの再生可能エネルギーへのシフトの価値を高める戦略なのだ。しかし、この戦略は安価な化石燃料のみを原因とする予測はどれもことごとく外れている以上、この理論は間違っていると考えるほかない。
CO2が多い方が植物の光合成の量が増えて、食料の量も多くなる。また、CO2はマクロレベルでみると、海に入って最後は石灰岩になって固定されるので無理して減らさなくても、放っておけば自然に減っていくものだ。
生物学者が忖度なしに語りおろす、SDGsの知られざる真実!!
2023年3月3日 14:11 カテゴリー:書籍紹介