書籍紹介「ウイルス学者の絶望」宮沢孝幸 著

「ウイルス学者の絶望」
宮沢孝幸 著 ISBN978ー4ー299ー03760ー2

35年にわたるウイルス学、免疫学、分子生物学、ウイルス共進化学を研究し、多くの国際論文を発表してきた著者が科学的見地から記した新型コロナウイルスとワクチンの最終結論
1.新型コロナウイルスの正体
(1)遺伝子配列がSARSコロナウイルス(2002年発生)と非常に近く、決して未知のウイルスではない。
(2)2類相当に分類し診察できる医療機関が限定されたため医療逼迫が起きた。
(3)RNAウイルスでありながら、複製時のコピーミスを修正する校正酵素を持っているので、変異は遅い。
(4)マスクの着用はある程度の感染予防になるかもしれないがマイナス面(exマスクの網目のすり抜け、大声会話、口呼吸)を差し引くとかえってリスクを高める可能性がある(マスクより換気)。
(5)誘導した抗体のうち、少ない中和抗体による感染予防効果である一方で、より多い非中和抗体による感染増強効果(ADE)や病態憎悪(自己免疫疾患)を引き起こすこともある。
(6)長い目で見ると子供は、ワクチン接種より感染して完全免疫をつける方がよい。イングランドでは88%の子ども(5歳から11歳)がウイルスに感染して免疫をつけたが特に大きな問題は発生していない。
(7)自分を攻撃するリンパ球を排除する胸腺教育の時期に胎盤を介して脂質ナノ粒子(LNP)に包まれたスパイクタンパク質が胎児に流れると、誕生後、その子供はスパイクタンパク質を異物と見なさなくなり、一生涯、感染のリスクがつきまとう。

2.無知という大罪
(1)ワクチンで血中にIgG抗体が作られて重症化防止には役立っても、鼻腔や口腔内などの粘膜上に出てきて感染を防ぐ、IgA抗体はほとんど誘導されない。
(2)抗原検査はNタンパク質をダイレクトに検出し、PCR検査はNタンパク質の設計図(mRNA)を検出する。
(3)従って、タンパク質もしくはその設計図が検出されても、感染性があるとは断定できない。
(4)なお、ウイルス検査には前記以外に感度も高く安価で20分程で検査するLAMP法があるにもかかわらず、広く採用されなかったのは理解できません。
(5)何事も同じ抗原に対応したワクチンを接種していると変異型ウイルスが襲ってきても免疫はそれに対応できず、以前と同じ抗体ばかりつくる(抗原原罪)。
(6)スパイクタンパク質よりははるかに多いNタンパク質に対する抗体の有無を調べてから、ワクチン接種をすべき(接種前の感染確認)。
(7)ワクチン接種後に心筋炎を発症した多くの若者の血液中に遊離スパイクタンパク質が検出され、それが筋炎を誘導していることは明らかになっている。
(8)ワクチンが血流に入ることがラットでのワクチン接種実験で明らかになっている(筋肉に接種するとLNPが肝臓、脾臓、副腎、卵巣などに移行)
(9)抗体がスパイクタンパク質の特定部位(N末端部分)に結合すると、抗体がスパイクタンパク質の構造変化を引き起こし、感染力を高める。

メディアの情報統制&偏向報道が京大准教授の主張を「異端」にした!
封印されたコロナワクチンの限界と危険性!!

2023年7月6日 9:09  カテゴリー:書籍紹介

書籍紹介「人体最強の臓器 皮膚のふしぎ」椛島健治 著

「人体最強の臓器 皮膚のふしぎ」
椛島健治 著 ISBN978-4-06-530387-0

皮膚はさまざまな能力を併せ持った「スーパー臓器」です。有害な化学物質・紫外線や病原体の侵入を防いだり、体内の水分蒸発を最小限に抑える防御装置であるとともに、人体最大の免疫器官であり、無数のセンサーが埋め込まれた感覚器官でもあります。

1.皮膚の構造
皮膚は外から内に向かって、表皮・真皮・皮下組織という3種類の異なる組織が積み重なっています。
(1)表皮
95%は表皮角化細胞(基底層→有棘層→顆粒層→角質層)が占め、残り5%はランゲルハンス細胞(マクロファージの一種)、メルケル細胞(接触センサー)、色素細胞(メラニン合成)などです。
(2)真皮
80%は強度を保つ膠原線維(コラーゲン)が占め、残りは、弾力を保つ弾性線維、血管、リンパ管、免疫細胞などです。
(3)皮下組織
エネルギー源となる脂肪を貯える貯蔵庫としての役割と、外部からの物理的な衝撃を緩和する吸収剤および保湿機能を有しています。

2.免疫器官
(1)表皮
角質層などの物理的な防御機構を突破した異物を捕らえて、適切な免疫応答を誘導するランゲルハンス細胞が分布しています。
(2)真皮・皮下組織
樹状細胞、マクロファージ、T細胞、B細胞、肥満細胞(マスト細胞)、好中球、好酸球などの役者が揃っています。さらに、近年発見された自然免疫にかかわる自然リンパ球も存在しています。

3.感覚器官
(1)かゆみ
かゆみには、皮膚刺激があってかゆいと感じるものと、脳がかゆいと感じて皮膚がかゆくなる2種類がありますが、かゆみが生じるメカニズムの詳細はわかっていません。また、痛みとかゆみはC線維の中でも、それぞれ独自の神経線維を介して伝達することが明らかになっています。
(2)温度
温度を感じる受容体を温度感受性TRPチャネルと呼びヒトには9種類発見されていますが、多くはカプサイシンやメントールのような植物由来の物質によって活性化されたり、抑制されたりします。なおTRPは単に温度センサーというだけにとどまらず、がんやパーキンソン病、心筋症、皮膚乾燥症などさまざまな疾患に深くかかわっていることもわかってきました。

以上の知識を前提として、著者の専門とするアトピー性皮膚炎、皮膚の老化とアンチエイジング、未来の皮膚医療などについて最新の研究成果も紹介されています。

2023年6月15日 9:08  カテゴリー:書籍紹介

書籍紹介「とれない「痛み」はない」柏木邦友 著

「とれない「痛み」はない」
柏木邦友 著 ISBN978ー4ー344ー98673ー2

人の身体は50歳を過ぎると、あちこちに「痛み」が出てくるもの。日本人は「我慢は美徳」とばかりに耐えようとするが、「痛み」は生活の質を落とすだけではなく、深刻な病気のサインかもしれないので、放っておくのは禁物である。

1.「痛み」を我慢してはいけない7つの理由
(1)放っておくと、どんどん強くなる「ウインドアップ現象(中枢感作)」
(2)痛くて寝不足になると、「痛み」はより強くなる
(3)「痛み」をとらなければ、イライラは治まらない(大脳辺縁系への刺激)
(4)「痛み」を我慢していると「異痛症」のリスクも(痛みを感じる閾値が下がる)
(5)神経が「勘違い」をして痛みの原因がある部位から離れたところでの「関連痛」が発生
(6)強い「痛み」は大動脈解離や心筋梗塞を招く
(7)採血や点滴も、痛かったらすぐにスタッフに伝える(神経損傷のリスク)

2.痛みを感じる仕組みと人体に備わった痛みをとる「仕組み」
痛み信号は脊髄神経から脊髄を通って、脳に到着します。人体に備わった痛みをとる仕組みは「下行性疼痛制御系」と「手当て」の2つがあります。前者は、痛みの信号が脳に到達すると脳が痛みを抑制する伝達物質を脊髄に届け、痛み信号を軽減します。一方、後者は痛み刺激を伝わりにくくします(ゲートコントロール理論)。

3.各種鎮痛剤とその特徴
(1)NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)…ロキソニン、ボルタレン、バファリンなど
血管を拡張し、痛みや熱などを引き起こす、体内物質のプロスタグランジンの分泌を抑制する。
(2)アセトアミノフェン…カロナール
下行性疼痛制御系の働きを活性化し鎮痛効果を発揮する。
(3)抗うつ薬…セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)
痛みの信号を抑制したり、下行性疼痛制御系の働きを強める。
(4)医療用麻薬…モルヒネ、フェンタニルなど
前記(1)~(3)には「これ以上はいくら飲んでも効かない」という「天井効果」があるが、これには投与すればするほど効果がある。

4.痛みの国際的分類
(1)侵害受容性疼痛
けがや病気などで身体がダメージを受けて生じる痛み
(2)神経障害性疼痛
物理的に痛み信号を生じさせるものがないのに、神経そのものがダメージを受けて生じる痛み(帯状疱疹の神経痛や腰椎椎間板ヘルニアなど)
(3)痛覚変調整疼痛(原因がはっきりしない痛み?)

5.無痛分娩のすすめと麻薬の方法
(1)無痛分娩のすすめ
欧米では無痛分娩は広く行われていますが、国内では2020年の厚生労働省の調査では、8.6%という低率です。危険性が高いとか痛みに耐えてこそ母性が生まれるなどの誤解があるようです。
お母さんが痛みを感じず、リラックスして力が抜けているほうが、お産はスムーズになります。
(2)麻薬の方法
いくつかの種類がありますが、ほとんどの病院では「硬膜外鎮痛」が用いられています。背骨にある硬膜という膜の外側に痛み止めを入れることで痛みを抑える方法です。

痛みをとる手段には多様性があり、「終末期」の苦しみももう怖くない!!

2023年6月1日 9:04  カテゴリー:書籍紹介

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