書籍紹介「人間ドックの9割は間違い」 牧田善二 著
人間ドックの9割は間違い
牧田善二 著 ISBN978-4-344-98378-6
著者は東京・銀座のクリニックで、年間3,000人以上の患者を診ている糖尿病専門医です。
糖尿病患者は糖尿病の治療だけに専念していればいいわけではありません。糖尿病があると、がん、心筋梗塞、脳卒中など命に直結する病気の罹患率が健常者よりも非常に高い。そのため、著者の患者さんは、糖尿病治療は著者自身が責任を持って行いますが、そのかたわらで、信頼のおける医療機関を紹介し、全身チェックをしてもらっています。
その結果、毎年50人弱の患者さんに「がん」が見つかります。しかし、ある年のたった1人を除いて、みなさん「がん」を克服して、今も元気でいます。というのも超がつくほど早期に発見できているからです。一方で、多くの人たちが人間ドックできちんと検査を受けていないから、どんどん命を落としています。毎年、定期的に人間ドックに入っているのに手遅れの「がん」が見つかったり、心筋梗塞で突然死したりします。これは、そこで行われている検査が、例えば以下のように適切なものでない証でしょう。
(1)「がんの早期発見」が第一目的なのに、検査項目が中途半端
(2)「胃のバリウム検査」では早期の胃がんを見落とすのが常
(3)「便潜血検査」は早期の大腸がんを発見することは困難
(4)「胸部エックス線検査」では早期の肺がんは見つからない
(5)「マンモグラフィ検査」では若い人の乳がんは見逃しやすい
(6)「腹部超音波検査」では死亡率の高い卵巣がんは見つけにくい
著者が患者さんに勧めているのは、がん、心筋梗塞、脳疾患などの病気を確実に早期発見する「精度の高い検査」で、内容は全身のCT、胃と腸のカメラ、脳MRIだけです。
人間ドックで安心していたら、自分の命は守れない!!
2015年5月14日 9:00 カテゴリー:書籍紹介