書籍紹介「口の中をみれば寿命がわかる」 波多野尚樹 著
口の中をみれば寿命がわかる
波多野尚樹 著 ISBN978-4-09-388411-2
歯科は長い間、局所に対する修復治療を行ってきた。新しい技術を研究開発し、新しい補綴を開発し、だめになった歯をできるだけ使える歯に戻すために治療を行ってきた。しかし、修復しなければならなくなった原因である口腔内細菌をやっつけなければ、再び歯や骨はだめになり修復しなければならなくなる。
著者は歯科医として臨床を担って40年ほどたつが、本当に多くの方の口の中を診て見えない細菌と闘ってきた。口腔内細菌と闘うことが歯を守り全身の健康を維持するためのポイントであることを一般の患者のみならず歯科医自身にも再認識してもらいたい。
虫歯や歯周病に対して、まず行うべきは感染の原因となった口腔内細菌を徹底的に除去してからでなくては、修復にはかかれない。原因をもとから断たなければ、再発は必然だ。口腔内細菌除去のポイントは歯磨きしかない。適切な歯磨きで細菌の巣を除去しなければ何事も始まらない。近年、口腔内細菌と全身の疾患に関する研究が進み、驚くほど多くの病気に口腔内細菌が関与していることがわかってきた。
生活習慣が乱れると、口の中は一目瞭然、舌苔が生えるなど口の中の色が変わる。粘膜の色が悪化する。どんなに口腔内をきれいにしていても、突然に炎症を起こすことがある。口腔内細菌は確かに病気の重要原因の1つであるが、そこに共犯者が加わることで一気に暴れだす。糖尿病や喫煙や間食などの生活習慣病、唾液の減少などリスクファクターがあることで、口腔内の環境は悪化する。口腔内細菌の増加は、メンタルのリスク、生活習慣のリスク、口腔内のリスクが重なって炎症を起こす。
身体に奇跡が訪れる長生き47の秘訣!
2015年3月19日 8:49 カテゴリー:書籍紹介