書籍紹介「医療詐欺」 上 昌広 著
医療詐欺
上 昌広 著 ISBN978-4-06-272857-7
本書は主に三つの大きなテーマに沿ってお話されています。
一つは、昨今問題になっている製薬会社と大学研究者の癒着構造に象徴されるようになっているように、医療の世界にも「原子力ムラ」ならぬ「医療ムラ」が存在し、その遠因には「中医協」という国家による医療の価格統制システムがあるということ。
二つ目は、みなさんの多くが先端医療を受けることができる施設だと勘違いしている「国立病院」というものが、旧日本軍を前身とする「国策医療推進施設」であり、患者のためではなく国家のための医療を推進していること。
そして、三つ目が西日本と東日本で医師や高度医療機関の数に「格差」が生じてしまったのは、戊辰戦争という「内戦」の影響で、政府の医療インフラ整備が偏ってしまったことが大きいということ。
以上の三テーマから見えてくるのは、日本の医療というものが完全に「国家」のコントロール下におかれているという現実です。では、このような「国家医療」がこのまま進んでいったら、私たちにいったいどんな未来が待ち構えているのでしょうか。もし、あなたが2035年に首都圏にお住まいなら自動車で高速道路を利用したり、急行電車を乗り継ぐなどしたりして、最低でも一時間はかけて遠くの病院まで通わなければいけなくなっているかもしれないのです。
壊滅的な医師不足となっている2035年の首都圏では、みなさんが良い医療を受けるには高い倍率を勝ち上がらなければならず「コネ医療」が増加することは目に見えています。
この様な事態を回避するには、シュプレヒコールをあげて財政難の国家財政から、少しでも多くのカネを引っ張ることではなく「競争原理」を導入するべきです。そして、国家のための医療を患者のための医療に戻すために、まず、国家から価格統制権を奪うことであり「混合医療」は、その第一歩になる可能性があります。「先端医療」と「新薬」は、まず疑うのが正しい。
日本を滅ぼす「医療の癌」の正体を暴く!!
2015年2月5日 9:01 カテゴリー:書籍紹介