書籍紹介「発達障害を治す」 大森隆史 著
発達障害を治す
大森隆史 著 ISBN978-4-344-98356-4
日本では、子どもが発達障害と診断された親は「原因不明で治療法はない」と宣告される。一方、世界的には遺伝子研究の立場から発症原因の探究が続いている。
その結果、近年、遺伝子の微小な変異である遺伝子多型と有害な環境汚染物質とが相乗的に作用していることが分かってきた。遺伝子を調べ体内に蓄積した有害物質をデトックス(排毒)し、必要なビタミンなどを投与することで、様々な症状は改善する。そして、子どもたちの脳の発達に関係する酵素タンパク質などの遺伝子多型は、本書では以下の三つに分類して説明しています。
(1)ホルモン受容タンパク質の遺伝子多型 → 多動、攻撃性などに関係する
(2)脳神経細胞のシナプス構成やシナプス間に存在する神経伝達物質の受容体などに関係する遺伝子多型 → 多動、常同運動などに関係する
(3)ドーパミン、セロトニンなどの分解に関係する酵素タンパク質の遺伝子多型 → こだわり、気分変動に関係する
また、環境汚染物質として(1)水銀(2)鉛(3)ニッケルなどをあげて、それぞれの影響について説明されています。さらに、水銀や鉛などの有害物質をαリポ酸でデトックスを行い、ビタミンB群、葉酸の服用を行い、さらに状況に応じてほかの栄養補助(ビタミンC、EPA、DHAなど)を行うことなどが説明されています。
臨床現場で成果を上げている医師が解説する発達障害のしくみと、革命的治療法が本書で明らかにされています。
2014年11月20日 9:19 カテゴリー:書籍紹介