書籍紹介「なぜ、あなたの薬は効かないのか?」 深井良祐 著
なぜ、あなたの薬は効かないのか?
深井良祐 著 ISBN978-4-334-03786-4
薬は、私たちの生活と切っても切れない関係にあります。風邪をひいたとき、頭痛のとき、腰や膝に痛みが走ったとき、花粉症やアトピー性皮膚炎などのアレルギー症状が出たとき、私たちは薬に頼って痛みや症状を緩和させます。しかし、「自分は薬の性質をよく知っている」という人はどれくらいいるでしょうか。また、「薬はなぜ効くのか」というシンプルな問いに正しく答えられる人はどれくらいいるでしょうか。毎日の健康は自分や家族が服用している薬について知ることから始まります。
さて、「セルフメディケーション」という言葉があります。これは、「自分の健康は自分で守る」という意味です。医療機関に頼ることなく、自分で病気を治療していくという意味もセルフメディケーションに含まれます。巷にドラッグストアがあふれているように、いまではインターネットでも薬が買えるように、現代は、「自分の健康は自分で守る」セルフメディケーションに適した時代だということもできます。しかし、薬の予期せぬ危険性を理解するためには、薬についての基礎的な知識が必要です。もちろん、専門的な知識は必要ありませんが、少なくとも自分が服用する薬については、ある程度の知識があってもいいのではないでしょうか。薬剤師である著者は薬に関する相談を多く受ける中で、基礎的な知識のないまま薬を服用している人が大多数であると常に感じています。
また、現在は、ほとんどの人は、実際に病気に罹ったときのみ、医療などの専門家を頼りますが、考えを改め、病気でないときでも専門家を上手く活用すれば、より健康に過ごすことができるようになるでしょう。セルフメディケーションの考えを取り入れ、薬剤師の力を借りながら自分自身で健康管理を行うことが大切です。そのためには、専門家から必要な情報を引き出すために最低限の知識が必要になります。
本書は「セルフメディケーションの時代」に必須の入門書となるでしょう。
2014年5月8日 9:38 カテゴリー:書籍紹介