書籍紹介「治療の真実」 川嶋 朗 著
治療の真実
川嶋 朗 著 ISBN978-4-87771-313-3
ほとんどの病気は、自分の中にある力で治るのです。「病気のうち、医療が必要なのは1割。自己治癒力で治るのが8割」といわれています。では、残りの1割は?なんと医者にかかった事が原因で起こる医原症です。だからといって著者は医療を全否定しているわけではありません。壁にぶつかっているといわれる西洋医学も貴重な存在です。特に生命が危険にさらされている状況下では大きな力を発揮します。薬も同様です。病状がひどい場合や耐えがたい痛みがある場合などには、薬を使って苦痛をコントロールして楽になる。これで患者さんは、大いに救われます。
医者も患者も、健康保健制度もきわめて重症の病にかかっている日本の現状。そこから脱するには「病気を治しているのは医者ではなく、自然治癒力である」という事実を再認識する必要があります。「医者まかせではなく、患者さん自身が自分の力で病気を治す」と考え方を変えることが必要なのです。
著者が行っている統合医療は、西洋医療も東洋医療も伝統的な医療もすべて含めた中から患者さんの症状、希望に合わせた最適な医療を探り、提供する医療です。統合医療のいちばんの目的は、自己治癒力を発揮しやすい心と体に調えることです。そして、著者のクリニックでは、西洋医学に見放され、余命宣告を受けたような患者さんが見違えるほど回復する、そんな奇跡が多数起こっています。こうした奇跡は医者である著者が起こしたのではなく、みな、患者さん自身の力で起こしたのです。
老いに対する考え方も見直すべきです。いたずらに寿命を延ばすことを望むのではなく、老いを受け入れながら、できるだけ最後まで自立して自分らしい人生を送り穏やかに旅立つ、こうした姿が今後、日本がめざすべき老いのあり方です。そうなると医療はそうたくさんいらなくなり、無駄な医療、過剰な医療は排除され、おカネ第一の医者や患者のことを考えない悪徳医者は淘汰されます。
医者が失業する時代、それが理想!!
2014年4月10日 9:14 カテゴリー:書籍紹介