書籍紹介「間違いだらけのアトピー治療」 竹原和彦 著
間違いだらけのアトピー治療
竹原和彦 著 ISBN4-10-610139-4
あたかも“現代の難病”のように認識されるアトピー性皮膚炎。その誤解・偏見から様々な民間療法がはびこり、イジメ、自殺などの事件も後を絶たない。だが、アトピーは決して難病などではない。皮膚科の専門医にとっては、あくまで平凡な慢性疾患であり、正しい治療さえ守れば100%治る病気である。
著者の治療に特別なものは何一つ無い。皮膚科医として、ごく当たり前の治療を、ただ丁寧に実行しているだけである。しかしながら、ごく当たり前を求めて北陸三県はおろか全国から患者さんが通う。海外在住の日本人が受診することすらあり、著者自身驚かされる。
どうして、こんなに多くの患者さんが、ごく当たり前の治療を求めて著者の病院を訪れてくるのか、それは、ごく当たり前の治療が一般に行われていない、更には「間違いだらけのアトピー性皮膚炎治療」が修正されないままに医療機関を含めた社会全般に適用してしまっているからである。
アトピー性皮膚炎は複雑な側面を持つ病気であり、その治療に際しても柔軟な考え方が必要である。
誤った認識の主なものとして以下の先入観がある。
(1)アトピー性皮膚炎は一生完治しない難病である。
(2)アレルギー反応が原因である。
(3)ストレスのせいで悪化する。
(4)ステロイド剤は使ってはいけない等
著者自身はアトピー性皮膚炎の多くの症状は「乾燥肌を伴う敏感体質の人に生じやすい、アレルギーではない刺激反応を主とする慢性の皮膚炎で、アレルギー反応は悪化の過程の一部に関与しているに過ぎない」と考えている。
アトピー治療の第一人者が誤った認識を正し、悩む患者、家族に「正しい療法」を分かりやすく提示しています。
2014年1月23日 8:54 カテゴリー:書籍紹介