書籍紹介「痛い腰・ヒザ・肩は動いて治せ」 島田永和 著
痛い腰・ヒザ・肩は動いて治せ
島田永和 著 ISBN978-4-02-273219-4
整形外科医として30年が経過しましたが、自分自身は成長したか、そして、日本の整形外科診療は進歩したか、と振り返ったとき、残念ですが胸を張って「イエス」とは答えられないことに気づきます。
確かに、新しい検査方法が開発され診断が容易となりましたし、関節鏡などの発達により、小さなキズで身体へのダメージを最小限とする手術方法が導入され、術後の回復は早くなりました。つまり、整形外科専門医や研究者にとって興味の対象となる分野は進歩しました。
その一方で、よくある腰や膝、肩などの関節の痛みについては医師の関心が薄いせいもあり、これまでと変わらない対処にとどまっており、進んでいないのが現実です。
著者は師匠からスポーツ選手の診療を学び、安静の弊害を繰り返したたき込まれました。「人間は動いてナンボや」という師匠の人生哲学に強く惹かれ、診療現場に動いて治すことを取り入れ、活かしてきました。そして、この「動いて治す」という考え方はスポーツ選手だけのものではなく、働く人、主婦、高齢者、障害者などすべての生活し活動する人間に当てはまるものだと気づきました。
けれども、整形外科での対応は今も安静や活動制限が中心で、ほとんど変化がありません。もっと動いて、動かして、積極的に対処するという方法を知っていただきたいと考え、患者さん自身が自分の身体に起こった異変を理解し、自分の力で解決する方法を学んで実際に行動できるよう、分かりやすく解説したのが本書です。身体の痛みや使い勝手の悪さなどの症状で長く悩んだり、一時はよくなっても何度もぶり返したりしてお困りの方、そして、安静を指示するだけの対応にご不満を感じておられる方に、ぜひ、実践していただきたいと著者は願っています。
スポーツ医療の第一人者が、痛みの出にくい身体づくりの方法を教えます!!
2013年10月3日 9:02 カテゴリー:書籍紹介