書籍紹介 「いつか罹る病気に備える本」 塚崎朝子 著
いつか罹る病気に備える本
塚崎朝子 著 ISBN 978-4-06-257794-6
いつ頃からか、同世代が集まると健康談議に花が咲くようになる。最初は親世代の悩みだったのが、やがて関心は自分の体の不調の話に移っていく。著者は医学・医療の世界で文筆を生業としているため、こうしたときに助言を求められる。しかし、人の生死には直結しないとしても体の悩みに生半可な受け答えはできない。必要なのは、専門の医師によるコンパクトで正確な医療情報である。そんな思いで著者が書き続けたのが「週刊エコノミスト」の「からだのチェック」という連載だった。そのときに、東京医科歯科大学の医師・歯科医師100人に取材をして、さまざまな病気の基礎的な知識から最前線の治療方法に至るまで、信頼に足る医療情報を入手できた内容を一冊にまとめたものが本書である。
世の中には健康・医療情報が氾濫している。雑誌やテレビ番組では「健康もの」は定番の人気コンテンツだし、インターネット上にも健康情報はあふれている。本書の内容がそのような媒体などと異なるのは、予防や早期治療に重点を置いていつか罹るかもしれない病気について手取り早くチェックポイントがつかめるようになっている点にある。数日間の摂生で健康診断をクリアしているようなビジネスマンや、多忙をきわめて自分の体と向き合う時間がとれない世代の人にとって、大事なのは病気の予防と早期発見だ。そのための知識を気軽に入手できるように工夫されている。
一冊にまとめるに当たって、まず近年話題の「メタボリックシンドローム」を構成する疾患が冒頭に置かれている。メタボは内臓肥満を上流として、次々とドミノ倒しのように病気を引き起こす状態で、肥満は“万病の元”ともされる。高血圧、脂質異常症、糖尿病などは、その先にあり、合併しやすい病気である。大腸がんや乳がん、肝がんなど、さまざまながんも肥満と関係しています。
取り上げている病気も全部で100なので、気軽に手に取って気になる病気に備えることができると思います。
2013年7月11日 9:08 カテゴリー:書籍紹介