書籍紹介 「味覚力」を鍛えれば病気にならない 鈴木隆一 著
「味覚力」を鍛えれば病気にならない
鈴木隆一 著 ISBN978-4-06-272793-8
味覚を含めた「五感」の中でも、視力や聴力に関しては、検査が行われ、自身の視力・聴力がどれくらいのレベルか、ほとんどの方はご存じだと思う。そして、視力が衰えれば、眼鏡やコンタクトを用い、聴力が衰えれば補聴器を使う。
一方、味覚に関してはどうだろうか、自分の味覚を感じ取る力(以下味覚力)など、気にしたこともないという方が多いのではないだろうか。味覚力が悪くても好きな食べ物が変わるくらいで、影響力はないと考えてはいないか。実は味覚は病気と密接に関係しているのだ。例えば、糖尿病になりそうな人は甘味を感じにくく、高血圧になりそうな人は塩味を感じにくいことが分かっている。太っている人と痩せている人を比較すると、太っている人のほうが甘味の感受性が低いことが多い。つまり、甘味や塩味を鋭く感じる力があれば、糖尿病や高血圧を防ぐことができ、太ることも防げる可能性が高まるのだ。
本書では「味覚は変えられる、味覚力も鍛えられる」と断言している。味覚が変わり、味覚力を鍛えれば、好きな食べ物なども変わる。薄味の料理に慣れれば、十分そのおいしさを感じることができるようになる。味をきちんと感じることができる味覚力があれば、糖分や塩分を適切な量にコントロールできるし、薄味の健康的な料理で美味しさを感じて、満足することができる。将来的に摂るはずであった大量の調味料を体に入れないことであなたの体は劇的に負担が軽くなり、健康へのベクトルを伸ばすだろう。では、味覚力を鍛えるにはどうすればよいか。簡単なことだ。薄味を「おいしい」と脳が感じるようにコントロールすればよいのだ。
通称「味博士」の著者が日本総「味覚オンチ」の恐怖について理解を深めることを読者に期待しています。
2013年5月16日 9:37 カテゴリー:書籍紹介