書籍紹介 「酵素」の謎 鶴見隆史 著

「酵素」の謎
鶴見隆史 著 ISBN 978-4-396-11314-8

酵素は、近年の健康意識の高まりとともに、一般的に知られるようになっていますが、その研究の歴史はまだ浅く、正しい「酵素栄養学」は1985年に米国のエドワード・ハウエル博士が50年にわたり研究、発表した画期的な書物「Enzyme Nutrition(酵素栄養学)」に端を発しています。今日まで30年も経たず、日本で酵素の重要性が知られ始めてから10年も経っていません。現在の酵素ブームの火付け役は著者自身ですが、酵素にはいまだ謎も多く、その研究は発展途上です。

現在、老化・寿命のの原因として「酸化ストレス説」「テロメア説」「老人遺伝子説」が有力です。テロメアは2009年、ノーベル医学・生理学賞受賞を機に、一躍有名になりました。しかし、これらは、あくまで老化・寿命の中間原因で、最大の原因はそれらも支配している「酵素寿命説」つまり潜在酵素(体内酵素)の量が老化も寿命も決定していると著者は主張します。そして、酵素の特徴として以下の内容をあげています。

(1)解明が遅れたため9番目の栄養素として位置づけられている。
(2)酵素は44~50度くらいが活性が最も高まり、人間の体内では、体温38~40度で最も活性化する。
(3)酵素はそれ自身は変化しないで、接触する周囲の物質の化学反応を早める「触媒」として働く。
(4)酵素には体内で作られる体内酵素(消化酵素と代謝酵素)と食材から摂取される体外酵素(食物酵素)の2種類がある。
(5)体内で作られる酵素は、毎日作られるが、トータルでは一生で一定量しか作られない。

そして、病気の原因は「食」と「酵素」にあると主張し、体内酵素を減らさない方法と、食物から酵素を摂る方法について詳しく説明しています。
酵素ブームのなか、酵素栄養学の第一人者が書いた決定版!

2013年5月2日 9:41  カテゴリー:書籍紹介

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