書籍紹介 「腰痛は99%完治する」 酒井慎太郎 著
書籍紹介 「腰痛は99%完治する」
酒井慎太郎 著 ISBN978-4-344-01762-7
腰痛を治したいという患者さんの願いはたいへん切実です。しかし、それにもかかわらず、これまでの腰痛医療は「なんとか腰痛を治したい」という患者さんの期待にほとんど応えてこられませんでした。むしろ、期待を裏切ることのほうがずっと多かったのではないでしょうか。
一般的な病院では、腰痛の主な原因は「腰椎」にあると考えます。腰椎などの骨に異常があれば手術を含め、なんらかの措置をとる必要があると判断し、また骨に異常がなければ、そんなに心配する必要はないと判断します。
そこで、その振り分けをするために画像検査をし「骨に異常アリ」ならば「手術」、「骨に異常ナシ」ならば「湿布」の二社選択です。
しかし、たとえ画像検査で異常が見つかっても、それが痛みをおこしているとは限らないし、他方、画像検査で異常がみつからなくとも、それは異常がないことを示しているわけではありません。つまり、腰痛においては“画像”と“痛み”は必ずしも一致しません。
そこで、このような疑問から近年注目されている部位があります。それは、頭や脊柱を支え、足腰を動かす基軸となる「骨盤」です。なかでもスポットライトを当てられているのが「仙腸関節」という骨盤の左右にある関節です。この仙腸関節は昔はほとんど動かないとされていましたが、20年ほど前から、産婦人科のお医者さんの報告などによって微妙(3mm程度)に動くことがわかり、次第に仙腸関節のズレや不具合が腰痛の要因になっているのではないかと指摘されるようになってきました。
実際、仙腸関節の不具合を治せば腰痛の症状も痛みもきれいに消えます。そこで、著者は主として「関節包内矯正」という独自の治療法を実践し、15年間でのべ80万人の患者さんを診て殆ど完治させることに成功しています。関節包内矯正とは、ひっかかった仙骨と腸骨とを引き離し“遊び”の部分をつくり、仙腸関節を正常に戻すことで腰痛を治す方法です。
本書は、「腰痛を知る」というより「腰痛で最低限これだけ気をつければ治っていく」ことを意識して書かれています。
2013年3月14日 9:27 カテゴリー:書籍紹介