書籍紹介 「地球温暖化」神話 終わり始まり 渡辺 正 著
「地球温暖化」神話 終わりの始まり
渡辺 正 著 ISBN978-4-621-08517-2
二酸化炭素(Co2)の排出を減らして「地球温暖化」を防ぐ―――という触れ込みの京都議定書が発効したのは2005年2月です。それから7年近くたち、議定書を尊ぶ(と公言する)国はもはやごく少数なのに、日本政府はCo2を気にかけ、メディアも右にならう。東日本大震災のあと脱原発が話題になった折も、多くの新聞が、「火力発電を増やせばCo2排出が年に2億トン増える」と心配そうに書いていました。
そんな日本は2006年度からここ7年間で国・地方・民間を合わせて20兆円以上も「温暖化対策」に使って来ましたが、その20兆円は、Co2を排出を減らし、本来の目的(地球の冷却)に役立ったのでしょうか?答えはノーです。「Co2削減活動」がCo2排出を減らした形跡はありません。2008年度から09年度にかけ排出量は少し減りましたが、その主因を環境省も「金融危機で景気が落ち込み、エネルギー消費が減ったせい」と正しく分析しています。また、当然ながら20兆円が地球を0.001度となり,冷やした気配もありません。そもそも地球温暖化問題とは、大気にCo2が増えている事実を気にかけて、以下の三本柱とする「人為的Co2脅威論」です。
(1)大気中のCo2は主に人間活動(化石燃料の燃焼)が増やす。
(2)そのCo2が地球を暖めている。
(3)地球の平均気温が上がると悪いことがあれこれ起きる。
この三本柱はどれも仮説に過ぎず、(1)~(3)のうち一つでも誤りなら、話は崩壊します。そして、ここ数年間にこの仮説はどんどん劣化を続け、とりわけ2011年には、科学面でも政治・経済面でも、完全崩壊を予感させる出来事が次々に起きました。どこからどう見ても「地球温暖化」は問題にするような話ではなく、したがって本著は、巨費をつぎ込むことは無意味極まりない行為であると著者が結論づけCo2の免罪を晴らす渾身の一冊となっています。
2013年1月24日 9:26 カテゴリー:書籍紹介