書籍紹介 「わたしたちはなぜ“科学”にだまされるか」 ロバート・L・パーク 著
わたしたちはなぜ「科学」にだまされるか
ロバート・L・パーク 著 栗木さつき 訳 ISBN978-4-07-258980-9
なぜ、いま?科学や医学がめざましい進歩をとげ、毎日のように画期的な発見や問題の解明が報道されているこの時代に、なぜ多くの人たちが、いまだにニセ科学のばかげた話にひっかかり、理屈にあわない大昔の迷信を信じこんでいるのだろう?
それは、ひとことでいえば、そうしたとんでもない主張が「科学」のふりをしているからだ。そして世間の人たちが、科学に奇跡を求めたがるからだ。だが、見当違いの狂言者のたわごとや、平気で悪事をはたらく詐欺師のウソと、本物の科学とを、だれもが見分けられるわけではない。ここに、科学者が責任をもって取り組まなければならない問題がある。
まだ、一般の人たちが認知していない重大な問題に科学者が気づいた時、科学者には、その情報を必ず世間に伝えるという義務がある。科学者はまた、一般の人たちに科学的な手法、考え方というものを説明し、理解してもらう責任がある。そうすれば、ニセ科学か本物の科学かどうかを、だれもが自分で判断できるようになるかもしれない。
本書の目的はそこにある。「われわれは自然法則に支配された世界で暮らしており、魔法はけっして起こらない」ことを本書を読んだ皆さんに理解していただくことが著者の願いである。
著者のロバート・パーク博士がやり玉にあげるインチキ科学ー博士が呼ぶところのブードゥー・サイエンス(邪悪な科学)ーは、「健康になれる!」という能書きで塩水を売る商売から、UFO、超能力、燃料なしで永遠に動きつづける「永久機関、送電線がガンを引き起こすという説、常温核融合、そして核兵器や宇宙開発まで」と、実に幅広いが、本書では、そのひとつひとつが科学の専門知識のない一般の読者にもよくわかるように説明されている。
本書は、あなたのそばで、あなたを狙う「科学の顔」をしたニセ科学の素顔を暴いた話題の書として評価されています。
2013年1月17日 9:15 カテゴリー:書籍紹介