書籍紹介 「完治力」 篠原佳年 著
完治力
篠原佳年 著 ISBN 4-8061-2107-X
日本にはたくさんの病院があるのに、なぜ「治らない」と訴える患者さんが遠くから私の病院を訪れるのでしょう。そもそもあらゆる治療法や治療薬が次々と開発され、現代医学は進歩しているのに、なぜ患者さんは治らないのでしょうか。私は人々の病気を治したくて医者になりました。病気を治さない医者が儲かり、病気を治す腕のいい医者が儲からない、診療報酬制度という、おかしな仕組みのもとでもがいて30年余。「治らない」と嘆く患者さんと向き合いつづけて分かったことがあります。それは、人間のからだが“自然治癒力”を発揮しにくくなっている現象です。
現代医療では、痛みには鎮痛剤やステロイド剤、発熱には解熱剤、下痢には下痢止めといった具合に、出てきた症状はなんでも薬で抑えています。薬は症状を表面的に止めるだけで病気を根本的に治しません。治すどころか、人間が本来持っている“治る力”に対して「出番はないよ」とふたを閉めています。治らない患者さんが増えているのは、現代医療の問題だけでなく、人間の五感は鈍る一方で“感じる力”も衰えていることにあります。感じる力がなければ、自分の身に迫る危険を察知することも、自分のからだに起きた異変にも気づきません。いのちを医者に預け、薬に頼っているかぎり病気は治りません。
本書は著者が医者になってからいままで学んだこと、気づいたことのすべてをもとに、病気が治りにくい“いま”に焦点を合わせ“病気を治す力”について一からまとめた警告書です。本書を読みすすめるうちに、あなたの中で眠っていた自己治癒力がむくむくと動きだし、読み終わったときに、あなたのからだに“完治力”がみなぎることを著者はこころから願っています。
2012年9月13日 9:43 カテゴリー:書籍紹介