書籍紹介 「カラダの声をきく健康学」 北村昌陽 著
カラダの声をきく健康学
北村昌陽 ISBN978-4-00-025809-8
今の世の中は、健康や生活に役立ちそうな情報が、テレビや雑誌、インターネット、口コミなどを通じて山ほど出回っています。でも、びゅんびゅん飛び交う情報に気を取られ過ぎて意識がそちらばかりを向いた「頭でっかち」な状態になると、体の内側からそっと、正解をささやいてくれる「体の声」を見逃してしまう。今、私たちの身の上には、そんな現象が起きているのではないでしょうか。
例えば、「肩凝り」や「あくび」「便意」といった体の声に対する感覚が鈍ると、自分が鈍っていること自体に気づかなくなっています。「肩凝り」は血の巡りが局所的に悪くなっていることのサインで「血液が滞っていますよ」と体が知らせてくれています。「あくび」は緊張をゆるめようと体が発する天然のストレッチ。日々の生活で、疲れやストレスがたっまた体をゆるめるのに最適です。しかし、「あくび」がなかなかすんなりと出ない人が増えています。「あくびが出ない人たち」は体は硬く緊張し、特に後頭部や首の後ろ、背中や腰まわりなどが、強く固まっていることが多い。「便意」は排泄という体の最も基本的なメカニズムですが、せっかく体が発した便意というメッセージを長年にわたって抑え続け、わざわざ鈍い体を作り上げている。
本書は20人あまりの専門家の言葉を紹介しているため、科学の言葉と体で感じる実感で隔たりがあるように思えますが「体の声をきくことの大切さ」という点では共通しています。そこで、隔たりが広く埋められない領域があるのを承知の上で、専門家たちが伝えてくれた言葉を著者なりの考察でつなぎながら「体の声をきく」というテーマを中心に本書はまとめられています。
2012年7月19日 10:27 カテゴリー:書籍紹介