書籍紹介「心と体の不調は「歯」が原因だった!」 丸橋 賢 著
心と体の不調は「歯」が原因だった!
ISBN 978-4-569-70046-5
丸橋 賢
二足歩行という人間の形態は実に優れていますが、また実に微妙で不安定な形態です。重力に逆らって重い体を支えて立ち、さらにバランスをとって自由に動けるのは、蛇のように自由に曲がる背骨(脊柱)とそれを支える筋肉と足によっています。さらに難しい問題は、体の頂上に細い首に支えられて約5キロもある頭をのせていることです。
この人間の動きは、皿回しの名人が棒の上に皿をのせ、自在に動かして回るようにたとえることができます。この皿に当たるのが、人間の上顎歯列の上の頭部で、棒に当たるのが、下顎歯列を含む下顎骨、脊柱、脚部です。そして、皿(頭)と棒(脊柱など)との接触点となり、微妙に姿勢を調整しているのが実は歯なのです。
歯に狂いが生じると、脊柱が曲がり、頭部の脳から出て脊柱の管の中を走行する中枢神経と、椎骨ごと左右に分岐する末梢神経の働きが自由に行えなくなり、当然、体に機能の低下や不全が生じます。そこで、歪んだ咬み合わせを治すことで、うつ病、不安愁訴、アレルギー、腰痛、肩こりなどの諸症状が改善します。つまり、歯は身心を支える支柱なので、その微妙なズレが万病の元となりえます。さらに咬み合わせを正せば、セロトニンの分泌を促し、免疫力も高まります。
従って、壊れにくい体をつくるには、足腰を鍛えることに加えて、よく咬むことが不可欠となります。よく咬むことによってしか、安定感のある歯列弓とそれを支える顎骨や筋肉、正しい咬み合せはつくれないと長年の全人的歯科医療の経験から著者は主張しています。
2012年4月12日 9:35 カテゴリー:書籍紹介