書籍紹介「パラサイト式血液型診断」 藤田紘一郎 著
パラサイト式血液型診断
ISBN 978-4-10-603562-6
藤田紘一郎
著者は感染症や熱帯医学の研究のため、寄生虫、細菌、ウィルスといった微生物たちと三十年以上も付き合ってきましたが、そのなかで、微生物、特に腸内細菌が私たち人類に、ABO血液型物質を賦与していたという重要な事実に気づきました。
これらの微生物は人間に寄生しなければ存在できなない、つまり「パラサイト」となったわけですが、パラサイトと人間との間では長い時間をかけて進化と適合が繰り返され、その際に常に問題になったのが、お互いがもっているABO血液型物質のぶつかり合いだった。
例えば、B型物質を大量に含む肺炎球菌にはB型の人が冒されやすく重症化します。また、私たちの身体は血液型物質によって免疫力の差が宿命的に決められています。
血液型物質の抗原量が最も多いO型の人の免疫力が最も強く、次いでB型、A型、AB型となっています。罹患率や重症度、更に免疫力まで違っているとなれば「性格は血液型によって決められている」と考える方がむしろ自然であると著者は考える。
例えば、梅毒や結核に冒され難いO型の人はフロンティア・スピリットにあふれ、結核などの感染症ばかりでなく、癌や糖尿病、心筋梗塞などの生活習慣病になりやすいA型の人は協調性に優れている。
また、血液型には赤血球のABO式の他にも白血球の血液型であるHLAなど多くの種類がありますが、それらの多くは数多くの微生物を迎え撃つための防御システムとして進化し、特に人類の祖先が誕生してから、およそ五百万年。今日まで生き延びてこられたのは、多様なHLA分子を持つことができたからだと主張する。
2012年3月29日 9:17 カテゴリー:書籍紹介