書籍紹介「通院をやめれば病気は治る」 今井龍弥 著
通院をやめれば病気は治る
ISBN4-8376-1195-8
今井龍弥
著者の開業医としての研究テーマは身近にごくありふれた患者(病気)を身近なものを使って早く治す、一回でも早く治す。しかも安く治すということ。もし、それでも治らなかったら、自分の手の及ばない病気ですから、恥と一緒に紹介状を書くだけと語る。
世の中、何度も何度も、くり返して医者通いをしなければ治らない病気は稀なのに、それでも治らないのは、患者さんが、よく流行っている「名医」や「有名病院」に行くから。つまり病気といういと、すぐに名医にかかりたがる患者自身が悪い。これを著者は「有名病」と呼ぶ。
病気の治療で一番大事なことは安静です。安静第一、これが全ての病気治療の鉄則です。鼻だろうが内臓だろうが皮膚までも、やたらに刺激すれば、治る病気も治りません。病気を治したいと思ったら、しょっちゅういじらないで、そっとしておくこと。
医療というものは学問ではなく、経験と技術で、どれだけ多くの患者さんの治療をして、どれだけ多くのケースに直面したか、その経験の中で治療技術を身につけていくもの。誤解を恐れず言わせてもらえば、職人芸の世界なのだと説く。
欧米のようにホームドクター(家庭医)制が確立されていれば、家庭医が大病院に行く必要性があるかどうかなどを判断してくれる。日本の場合は医学知識のない患者さんが医療機関を選んでいるので「半日待って、三分間診療」や過剰医療などバカげたことが起こると嘆く。
2012年3月22日 10:28 カテゴリー:書籍紹介