書籍紹介 「100歳を可能にする時間医学」 大塚邦明 著
100歳を可能にする時間医学
ISBN 978-4-7571-6051-4
大塚邦明
最近、生体リズムと寿命との間に強固な関連性があることが発見され、今、数多くの研究成果が輩出している。とりわけ著者は健康寿命を伸ばすことこそ、生体時計の役割は大きいと考えている。生体リズムとはヒトをはじめとする生命が共通にもつリズム性である。ヒトをはじめとする地球上の全ての生命には、地球の自転リズム、月や木星、太陽などが奏でる様々なリズムと、ほぼ同じ周期のリズムが全て、多重に宿っている。そして、地球上の生命に育まれた生体時計は、いずれもほぼ同じ仕組みで生体リズムを奏でている。
生体リズムを上手に維持することにこそ、健康寿命を伸ばし、余命を長くするコツがある。本書では生体リズムの仕組みを解説し、それを維持するためのコツを紹介している。時間医学とは、ミネソタ大学のフランツ・ハルバーグ教授が唱えた、新しい医学概念であり、著者はハルバーグ教授と共に、生体リズム研究(すなわち、時間生物学)を医学の診断や治療の場に応用することを志してきた。医療の質を高めることを求め、この新しい医学概念をゲノミクス・プロテオミクスと呼応しつつクロノミクスと称している。時間医学が健康長寿としての100歳を可能にすることを説きつつ、不老長寿の道を探っている。そして、「健康寿命」は夢ではない、人はまだまだ若く生きられると主張しています。
2012年3月15日 9:31 カテゴリー:書籍紹介