書籍紹介「子どもを壊す食の闇」山田正彦 著

「子どもを壊す食の闇」
山田正彦 著 ISBN978-4-309-63161-5

Ⅰ 農薬大国
1.グリホサート(除草剤に含まれる主成分)…ラウンドアップなど
(1)発がん性があるとして世界49か国で禁止しているにもかかわらず、日本では使用や販売が続けられている。それどころか、グリホサートの残留基準を大幅にゆるめた(2017年:小麦、とうもろこし、そばなど)。
(2)市販されている小麦粉類、パン、及び学校給食のパンを調査した結果、グリホサートが検出された(農民連食品分析センター2018年~2020年)。
2.ネオニコ系農薬(殺虫剤)
(1)全世界でネオニコ系農薬の散布により、ミツバチの大量死で神経系に異常をきたすことが明らかになった。
(2)そこで、EU・韓国(2018年末)、イギリス(2017年末)、米国(2022年)も使用禁止。一方、残留基準値がゆるい日本はいまだに空中散布を続けている。

Ⅱ 食品添加物大国
1.ポストハーベスト
(1)日本では収穫後の農産物に農薬を撒くポストハーベスト農薬は認められていないが輸入する農産物は認めている。
(2)海外からの圧力に負けて日本で許可されている食品添加物の種類はこの20年間で急増し470品目あまりになっています。
2.食品添加物の表示制度の見直し
(1)消費者庁は2022年4月からガイドラインを変更し、「無添加」「◯◯不使用」等の表示は禁止し取り締まることにしました。
(2)ところが、2022年6月22日付けで「無添加の表示はなくなりません」と書いたチラシをウェブサイトにアップしました(消費者の選択する権利・知る権利に敗北)。

Ⅲ ゲノム編集食品
1.ギャバトマト
(1)日本では2021年9月より、ゲノム編集されたギャバという名のトマトがウェブサイトで販売されています。
(2)2018年EUの司法裁判所は、遺伝子組み換え作物と同様に規制すべきという判断を下し、EUではゲノム編集作物は販売されていません。
2.抗生物質が効かなくなる危険性
(1)ゲノム編集した細胞から作られた作物を食べると、抗生物質耐性遺伝子が腸内細菌に移行(遺伝子の水平伝達)し、抗生物質が効かなくなる危険性が生じる。
(2)ゲノム編集するためには、次の3つの物質を細胞核に入れる必要がある。
・標的となる遺伝子を切断するハサミの役割を果たす酵素(Cas9)
・Cas9を標的遺伝子に導くガイドRNAを作る遺伝子
・標的となる遺伝子の切断がうまくいったかどうかを示すマーカー(抗生物質耐性遺伝子)

以上の状況に変化を起こすキーとなるのは、学校給食の無償化・有機化です。現在、すでに約3割の市区町村で無償化は実現しています。

「子どもたちの健康は、社会の未来そのもの。学校給食を起点に日本の食を変える」

2024年7月18日 9:06  カテゴリー:書籍紹介

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