書籍紹介「在宅医が伝えたい「幸せな最期」を過ごすために大切な21のこと」中村明澄 著
「在宅医が伝えたい 「幸せな最期」を過ごすために大切な21のこと」
中村明澄 著 ISBN978-4-06-533264-1
在宅医になって11年。これまで1000人を超える患者さんを看取り、「できるだけお家で過ごしたい」という患者さんの希望が叶えられるよう努めてきました。
「生き方も逝き方も自分らしくあってほしい」と願うものの、人生の最終段階について考えることは普段の生活のなかではなかなかないと思います。
そこで、著者が日々の診察を通じ患者さんやご家族から教わった人生の最終段階の豊かな過ごし方や幸せな最期の迎え方についてお伝えすることで、みなさんがこれからの人生を考える上で役立ててほしいという思いで本書が出版されました。
幸せな最期を迎えるための3つの条件
(1)過ごす場所、(2)やってもらいたいこと(医療や介護)、(3)やりたいこと(夢)
まず(1)の最後を過ごす場所には、自宅、施設、病院という選択肢があります。メリット、デメリットがそれぞれありますが、まず過ごす場所に選択肢があり、それ選択できる可能性があることを知っていることがとても大切です。なぜなら、「本当は家で過ごしたい」と願いながら入院している人が、「望めば家に帰ることができる」という選択肢を知らないままに、病院で亡くなるからです。
(2)の受けたい医療や介護も同様で、例えば胃瘻などの延命治療は、一度開始すると途中でやめることが簡単にはできません。ですから「とりあえず」と安易に開始することは避け、正しい情報をもとに、きちんと考えて納得のいく選択をすることが大切です。受けたい医療や介護により、過ごしたい場所も変わります。
(3)のやりたいことについては、「やる時期」が大切です。病気によっては、たとえ余命1カ月であっても、一見元気に、少し調子が優れない程度に見える場合があります。すると、「もう少し体調が良くなってからしよう」とやりたいことを先送りすることがあります。ですが実際は、その後に病状が進んで動けなくなるため、結果的にやりたいことができず、望みを叶えられるチャンスを逃してしまうことがあります。
幸せな時間を過ごす第1歩は"知ること"から始まる!!
2024年6月6日 9:08 カテゴリー:書籍紹介