書籍紹介「若返りホルモン」米井嘉一 著
「若返りホルモン」
米井嘉一 著 ISBN978-4-08-721278-5
健康診断や人間ドックでは、通常、測定されることのない血中ホルモン量が心身の老化と密接に関係している。長年、老化のメカニズムの研究と診断・治療に取り組み、患者の「若返り」を実証してきた抗加齢医学研究の第一人者である著者はそう明言する。
Ⅰ 機能年齢
肉体や臓器の機能面の老化は、個体差が非常に大きいという特徴がある。
1.5つの機能年齢
「ホルモン年齢」が最も重要なカギを握りほかの4つの機能年齢にも多大な影響を与える。
(1)「血管年齢」「筋肉年齢」「骨年齢」「神経年齢」「ホルモン年齢」
(2)ホルモンが作用する2つのルート
・「自律神経」ルートは、スピードは早いが、効果は一時的
・「内分泌」ルートは、血中に入り、スピードは遅いが、効果は長期間
(3)ホルモンの分泌量を調整する「視床下部」
・各内分泌器官からの情報でホルモンの分泌量を調整する。
・加齢により、視床下部の調整機能も、各内分泌器官の機能も低下する
・加齢で変化する代表的なホルモンは、メラトニン、成長ホルモン、テストステロン、エストロゲン、プロゲステロン、甲状腺ホルモン、コルチゾール、インスリン
2.最強ホルモン「DHEA」(ホルモンの母)
「DHEA」は副腎皮質でコレステロールから合成されるステロイド系ホルモンで、以下の特徴を有している。
(1)体内にもっとも多く存在するホルモン
(2)50種類以上の他のホルモンの原料になる
(3)多くのホルモンの代わりとなって作用する
(4)長寿のヒトの血中「DHEA」濃度が高い。但し、異常に高い場合は副腎皮質腺腫などの疑いがある。
(5)筋肉の維持・増強には「運動」と「たんぱく質」の摂取に「DHEA」を加えると効果はより大きくなる。
Ⅱ 「DHEA」の低下ストレスと増加方法
1.「DHEA」を低下させるストレス
(1)活性酸素によるストレス
運動すると、アドレナリン、ノルアドレナリン、コルチゾールの血中濃度は上昇する一方、「DHEA」は活性酸素を除去し、尿として排出される。
(2)糖化ストレス
糖質由来のアルデヒドとたんぱく質が結合し、AGE(終末糖化産物)が作られ、それが「DHEA」を低下させる。
2.日常的に「DHEA」を増やす最短の道
現在、「DHEA」は保険適用外の医薬品として認可され、不妊治療にもっとも多く使用されている。従って、ドラックストアなどで手軽に入手することはできません。
(1)運動
運動すると体に負荷がかかり直後には「DHEA」は減りますが、筋肉を鍛えることで「DHEA」の分泌量は増えます。なお、運動の種類には関係せず、ウォーキング程度でも増えます。
(2)質の良い睡眠
質の良い睡眠は成長ホルモン、メラトニン、そして「DHEA」の分泌を増加させます。
不定愁訴の緩和から、見た目や肉体の改善まで!
「老化」はホルモンで治せる!
2024年5月2日 9:05 カテゴリー:書籍紹介