書籍紹介「今すぐ眠りたくなる夢の話」松田英子 著
「今すぐ眠りたくなる夢の話」
松田英子 著 ISBN978ー4ー8470ー6682ー5
夢は私たちの記憶の連続性を示しています。目覚めているときに、入力され処理された情報を記憶し、整理したものが夢なので、生まれから現在までの歴史を示しているといえます。
Ⅰ 夢には個性がある
1.性格による差
人は誰でも毎晩3つから5つくらい夢を見ていますが、覚えているかどうかには個人差があります。
(1)低想起者(記憶に残りにくい人)
情緒が安定し、のんびり穏やか、現実的でストレスにも柔軟に対処できる傾向があります。
(2)高想起者(記憶に残りやすい人)
心配性で不安傾向が高い。さまざまなことが気になり夢の中でなんとか準備しようとしていると推測されます。
2.年令による差
個人差はありますが、白黒の夢を見るのは年配者に多く、カラーの夢を見るのは若い人に多い。
Ⅱ ノンレム睡眠とレム睡眠
1.ノンレム睡眠
PETITの画像によれば、大脳すべての領域で機能が低下し、殆ど夢をみない睡眠。夢を見る場合は、寝入りばなにみることが多く、起きたときには覚えていない。
2.レム睡眠
前頭前野の急激な機能を低下させるが、大脳辺縁系は活性化し、一次視覚野は機能せず、二次視覚野のみが活性化し、ストーリー性のある夢をよくみる睡眠。明け方のレム睡眠は長くなるので、起きときに覚えていやすい。
3.金縛りとナルコレプシー
(1)レム睡眠が入眠時の最初にくると「金縛り」が発生します。金縛りを解くには、指先や爪先など体の先端を少し動かすと解除され目が覚めます。
(2)起きている時に感情的に興奮すると、発作的に「入眠時レム現象」が起きて急に眠りこむ「ナルコレプシー」という病気を発症します。
Ⅲ 世代別にみやすい夢の特徴
夢の内容はその人の関心が高いこと、気がかりなこと、最近のトピックスが出てきて記憶情報を整理します。
1.児童
非現実的なファンタジーの夢が多く、悪夢としては「鬼」や「ゾンビ」などが登場する怖い夢や「食べられる夢」が多い。
2.10代、20代
進路、学校、友人、恋人との関係不安になる夢が多い。悪夢としては、「家族が主人公で死ぬ」などの夢が多い。
3.30代、40代
「仕事の夢」「家族や友人の夢」「趣味の夢」が多い。悪夢としては「大事な場合での遅刻」、「忘れ物」、「準備不足」など仕事上の失敗が多い。
4.50代、60代
「仕事の夢」「家族や友人、知人の夢」「ドライブや旅行の夢」が多い。悪夢としては、災害や事故の夢が特に多い。
5.70代以上
「旅行などの趣味」、「家族や友人、知人」「ずっと会っていない人」や親など亡くなった人の夢が多い。悪夢としては、「自分の健康不安」、「家族がなくなる」、「死別」などの夢が目立つ。
なお、全ての世代に共通している悪夢としては「殺される夢」と「追いかけられる夢」が多いようです。
Ⅳ 明晰夢では夢はコントロールできる
基本的には夢は意図的な処理はできないので、筋書きはコントロールできません。
1.明晰夢とは
夢をみている途中で「これは夢だ」と気づく夢
2.コントロール
明晰夢をみられる人の中には、夢の展開をコントロールできる人もいて、夢の最初は悪夢でも筋書きをポジティブに書き換え、気持ちよく目覚めることができる。
1万人の夢を分析した研究者が教える夢の謎はかなりの部分が解明されてとにかくおもしろい!
読んだらすぐ寝ましょう!!
2023年9月7日 9:06 カテゴリー:書籍紹介