書籍紹介「医者が飲まない薬」鳥集徹 編著
「医者が飲まない薬」
鳥集徹 編著 ISBN978ー4ー299ー04085ー5
体に複数の不具合を抱えていることの多い高齢者は、何種類もの薬を飲んでいる人がたくさんいる。しかし、多剤服用(ポリファーマシー)は有害事象が増え、かえって体に悪影響を及ぼす。医師に処方されるまま薬をたくさん飲むと、かえって健康を害して、命を縮めることにもなりかねない。健康で長生きしたければ、身も心も医療に預け過ぎないことが肝心なのだ。本書ではジャーナリストの鳥集徹氏がホスト役を努め、"薬漬け医療"に警鐘を鳴らしてきた医師5人が忖度なしに語り尽くした。
1.森田洋之医師
そもそも、新薬に飛びつくべきではない。最初はわからなかったいろいろな副作用が、後から出てくる可能性がある。また、統計を取らないと差が出ないような薬というのは、個人ではほとんど効果が実感できない程度の薬だということをしっかり認識することが大事(全身麻酔には統計はありません)。
2.児玉慎一郎医師
新型コロナウイルス感染症の治療薬が次々に登場し、その都度、期待が寄せられたが、1000人以上を診察した経験から、コロナに特別な治療薬はいらないと断言する。しかも、特別承認された薬の中で、安全性が確立されたものはひとつもない。
3.長尾和宏医師
「薬はゼロがベスト」次善の策は1剤、次が2剤、多くても3剤が限度。薬の優先順位は、「これがないと命に直結する」という薬が最優先。そのためにはかかりつけ医を一元化したうえで減薬に取り組むべき。また、例えば、後期高齢者の血糖管理は放置し、何もしない。薬が効きすぎた時に起こる低血糖のほうが危ないから。
4.和田秀樹医師
自分も糖尿病や高血圧を患っているが、基準値にこだわるような医師の言うことを鵜呑みにしないことが最も大事。また、よその科の専門家に文句を言わない状況は、もう救いようのない状況で、それが多剤服用の一番の原因になっている。
5.高木俊介医師
精神科医の著者は京都で、日本で初めて民間のACT(包括型地域生活支援プログラム)を立ち上げた。薬では「心の病気」そのものは治せない。統合失調症の人でも、ケアのやり方を変えることで、薬を減らすことが可能で、医療支援より生活援助が効果的だと主張する。
現役医師たちの告白 その一錠が寿命を縮めます!!
2023年8月17日 9:07 カテゴリー:書籍紹介