書籍紹介「健康の大疑問」山田悠史 著
「健康の大疑問」
山田悠史 著 ISBN978ー4ー8387ー7514ー9
ヘルスリテラシーは、今の時代を健康に生き抜く上でますます必須の能力になりつつあります。情報の取り方を間違え、デタラメな情報ばかりを信じてしまえば未来の自分の不健康に直結することにもなりえます。そこで、本書では難解な論文をベースにして、実際にはどこまで分かっていて、何が分かっていないのか、またその考え方についても示しながら、ヘルスリテラシーを向上できるよう工夫されています。
例えば
1.耳たぶに縦ジワを見つけたら?
耳たぶの縦ジワはFrankサインと呼ばれており、心臓の血管になんらかの病気が生じている可能性があります(全身の動脈硬化→耳たぶでの動脈硬化→耳たぶの脂肪組織の萎縮)。
2.痛風にプリン体制限は有効?
プリン体制限よりも、痛風の防止には、肥満の方はダイエット、飲酒の方は節酒、そしてバランスの良い食生活。
3.断食で長生きが可能になる?
断食で長生きできるかは、マウスでそれを示唆する知見が得られていますが、人間でそれが起こるかどうかはまだよく分かっていません。食事は「時間より量だ」と思われます。
4.冷え性は病気のサイン?
冷え性は症状であって単一の「病気」ではないので、その原因にアプローチする必要があります。貧血ならば貧血を治す、甲状腺の病気ならばホルモンの補充、痩せすぎが原因ならば、少し体重を増やす。
5.「貧血には鉄分」の真偽
「貧血」には様々な原因があります。原因が鉄欠乏であれば、出血の有無をまず探し、有ればその治療、なければ鉄のサプリメントをとることで鉄不足が解消。原因がビタミンB12欠乏であればそれを補充。骨髄の造血に問題があれば、その治療を行う。
6.風邪薬は風邪を治す?
風邪薬は、風邪を治す薬ではなく、風邪にともなう症状(熱、鼻水、全身の痛みなど)を軽くするための薬です。
最新の知見を駆使し、健康情報の真偽を問う!!
2023年7月20日 9:03 カテゴリー:書籍紹介