書籍紹介「専門家の大罪」池田清彦 著
書籍紹介「専門家の大罪」
池田清彦 著 ISBN978-4-594-09258-0
今では、パソコンとネット環境さえあれば、大概の事は調べられる。その気になれば勉強を怠っている「専門家」よりも、その分野に詳しくなる事だって不可能ではない。本書は、その分野の文献や客観的なデータを踏まえて動態生物学の専門家である著者が、専門外の領域の問題点を暴く。
1.アリバイづくりのために開かれる審議会や有識者会議
自分たちのやりたい事と矛盾しないような「科学的事実」を発信してくれる専門家を最初から多く集めて、反対派が多数派にならないように調整して都合のいい結論を引き出す。
2.「予測」を「真実」のように語る欺瞞
例えば、気候に影響を与える要因は、火山の爆発や太陽活動以外にも大規模伐採や都市化などたくさんある。つまり、自然現象による影響のほうが、CO2の人為的排出よりもはるかに大きいという明らかなデータがある。
3.国民が“ゆでガエル状態”を脱しない限り、日本の凋落は止まらない
マスコミが喫緊の問題となっている政策の当否について賛否両論のディベート番組を組めば、国民の政治リテラシーは高まる。しかし、多くのマスコミは政権に忖度しているので、勇気のあるメディアはなかなか現れない。マスコミが変われば国民も変わるが、国民が変わらなければマスコミは変わらない。
4.そもそも政治や経済の専門家は存在するのか
もし存在するとして、これらの専門家の意見に従って、政府が政治や経済政策を遂行した結果、ここまで日本が衰退したのであれば、これらの専門家が間違ったアドバイスをしたからではないか。そんな専門家なら素人のほうがずっとましである。
国民を愚弄するのはもうやめなさい!!
2023年2月2日 8:45 カテゴリー:書籍紹介