書籍紹介 「肝臓のはなし」竹原徹郎 著
書籍紹介 「肝臓のはなし」
竹原徹郎 著 ISBN978-4-12-102689-7
健康診断で血液検査をすると、成人男子の4~5人に1人の割合で、血清ALT値の異常が指摘されるといわれています。血清ALT値というのは肝機能検査における代表的な数値です。
ALTは、生体内の化学反応を促進するタンパク質(酵素)の一種で、肝臓の検査に頻繁に登場するのは、これが肝細胞の「死」を反映する極めて簡便な指標だからです。ALTは肝細胞にとりわけ多く存在し、肝細胞が何らかの原因で死んでいくと、それが細胞から血液中に漏れてきます。体感では気づきませんが、肝臓が悲鳴を上げている状態です。そうした際に気をつけるべき事の一つは、肝炎ウィルスによる肝臓の病気ですが、日本は肝炎ウィルスの感染が比較的多い国なのです。もう一つは、生活習慣にともなう肝臓の病気で、アルコールの飲みすぎによる肝障害、栄養の摂りすぎや肥満による脂肪肝があります。残念ながら、これらの病気も日本で急増しており、健康診断で引っかかるALT異常の大半はこれらによるものです。
それでは、「大切な肝臓を守るためには何をすべきでしょうか」それは、以下の肝臓を守るための五原則を実践する事です。
(1)一生に一度は肝炎ウィルス検査を受ける
(2)腹八分目を守り、太り過ぎないようにする
(3)お酒はほどほどに
(4)不要な薬や健康食品には手を出さない
(5)気になる数値があったら、肝臓専門医を受診する
肝臓が悲鳴を上げています!
健康な日々のために知っておきたい、人体最大の臓器をめぐる医学講義
2023年1月12日 8:49 カテゴリー:書籍紹介