書籍紹介 「大人の食物アレルギー」福冨友馬 著
書籍紹介 「大人の食物アレルギー」
福冨友馬 著 ISBN978-4-08-721209-9
食品などの摂取で起こる食物アレルギー。中でも大人になってから発症する「成人食物アレルギー」の患者数が近年急増しており、重症化すると命にかかわる事はあまり知られていません。原因物質のアレルゲンは、口(食べる)、皮膚(触れる)、気道・粘膜(吸う)を介して体内に侵入します。
1.成人食物アレルギーになりやすい人の傾向
(1)アレルギー反応を起こしやすい体質(家族歴など)
(2)花粉アレルギー(花粉症)がある(類似アレルゲンに対する交差反応)
(3)砂糖の取りすぎなど生活習慣が乱れている(ビタミン・ミネラルの欠乏)
(4)過度のきれい好きTh1細胞とTh2細胞のバランスが崩れている
(5)日光浴不足などによるビタミンDが不足している
2.成人食物アレルギーに深く関わる職業
(1)調理業や食品加工業の従事者
原因となる食物アレルゲンに触れたり吸入したりする機会が多い。
(2)医療従事者
ラテックスを使った手袋を頻繁に使用する人が、バナナ、アボカド、キウィなどを食べた時に、食物アレルギー症状を起こす。
(3)理・美容師、エステティシャン
化粧品やヘアケア製品、石けんなどにしばしば、食物など天然由来の添加物があり、食物アレルギーを発症する。
3.症状を引き起こしやすい引き金(二次的要因)
原因食物の摂取に以下の二次的要因が加わって発症します。
(1)より重篤な症状を引き起こす代表格は運動(摂取後2時間以内)
(2)解熱鎮痛、その他の薬剤、ストレス・過度な疲れ、女性ホルモン、アルコール摂取
4.治療や対処にあたってのポイント
以下の4つのポイントを踏まえ可能な限り患者さん一人ひとりに適した個別化を目指します。
(1)必要最小限の食物除去
(2)誤食した時の対応
(3)合併する疾患への対応
(4)適切な代替食と栄養摂取
成人の10人に1人に症状あり!
2022年12月22日 8:31 カテゴリー:書籍紹介