書籍紹介「緑内障の真実」深作秀春 著
書籍紹介「緑内障の真実」
深作秀春 著 ISBN978-4-334-04614-9
(1)失明原因の第一位(30%)の緑内障は網膜神経節細胞やその枝である軸索の視神経が障害され、神経線維の消失と神経節細胞の細胞死による視野欠損です。
(2)視野計で測る視野欠損は20%から50%近くの神経節細胞が障害されないと、視野異常が検出されません。
(3)脳は記憶に基づいて、見えない部分を見えているように解釈します。また、片目でなく両目で見ると、両方の目で補い合うので、さらに視野障害を感じません。従って、片目ずつ隠して物を見てみるという習慣をつけなと緑内障の発見は遅れます。
(4)現在は、網膜神経節複合体の障害はOCT(光干渉断層計)で測定できるので、早期での緑内障診断もしやすくなっています。但し、直接視神経をチェックする技術が必要となります。
(5)さらなる問題として、緑内障の本質を患者だけでなく医師も「眼圧が高くて起きる病気」としてしか認識していません。
(6)また、角膜の歪みで測定する正常眼圧は角膜が厚いドイツ人が基準になっていますので、角膜の薄い日本人では眼圧が低く計測されて、正確に測られていません。
(7)緑内障の30%は眼圧上昇が原因と考えられていますが、それだけでなく、残りの70%は視神経への栄養や酸素供給のための血流不足や視神経への機械的圧迫などが原因であると推測されています。
(8)初期のうちは点眼薬も効果的ですが、中期以降では点眼薬では進行を抑るのが非常に難しく、手術が必要となります。
(9)ところが、いくつもある眼圧を下げる緑内障手術を適切かつ完璧に行える眼科外科医が日本には非常に少なく「緑内障は点眼薬で進行は遅くできても、治癒する事はなく、ゆっくりと進みながら失明する」と信じられています。
(10)さらに著者の研究で緑内障は白内障と密接な関係があり、白内障は、時間差で緑内障を引き起こす事が判明しています。
(11)また、長い眼軸による強度近視や、逆に短い眼軸による遠視眼でも緑内障が起こる事も分かってきました。
世界最高レベルの眼科外科医が緑内障の正しい知識と最新の治療法を解説!!
2022年11月24日 9:11 カテゴリー:書籍紹介