書籍紹介「新型コロナとワクチンのひみつ」近藤 誠 著
新型コロナとワクチンのひみつ
近藤 誠 著 ISBN978-4-8284-2269-5
本書では、新型コロナウィルスの特徴から、免疫の仕組み、治療とクスリ、ついに接種が始まったワクチンまで、最新の研究論文を中心に重要テーマをわかりやすく解説しています。
1.ウィルスの特徴
(1)約3万個の「塩基」からなる一本鎖のRNAタイプで、2週間に一個の割合で塩基が入れ替る。従って、変異しやすい。
(2)ウィルスの突起部分は「スパイクタンパク質」で、それがヒトの細胞表面にある「ACE2」受容体に結合する事で細胞内に侵入する。
(3)「ACE2」受容体は鼻・咽頭・口腔など(上気道)の粘膜、小腸、肺、心臓、肝臓、腎臓、脳、膵臓などの多くの細胞に存在する。
(4)まず、ウィルスは上気道で数を増やし、その後、下気道(気管支・肺など)に移動して、肺炎を引き起こす(ウィルス性肺炎)。
(5)日本のPCR検査は40サイクル(ウィルス遺伝子を倍にする操作の回数)も回している検査所が多く、多数の「偽陽性」患者を生み出している。真に参考にすべきは感染者数ではなく、重症者と死亡者の人数です。
2.免疫との関係
(1)肺炎の重症化は、ウィルスが肺の細胞を傷つけるよりも、免疫細胞などが発する「サイトカインストーム」のせいとの考えが多い(治療に解熱剤を使用するとさらに悪化する)。
(2)サイトカインストームによって①肺細胞が傷つき ②他方で血管内に血栓が形成され心筋梗塞、脳梗塞などが発生する。
(3)抗体が作られても、抗体は血液中など細胞の外にしか存在しないので、細胞内のウィルスには無力。そこで、活躍するのが細胞免疫の「Tリンパ球」です。
3.ワクチン
(1)ワクチン接種でのポイントは①「有効性」「安全性」「必要性」の3要素ですが、今回のワクチンは開発から承認までの期間は1年未満(通常は5年~10年)なので、実力は不明。
(2)使用される「不活化ワクチン」では免疫活性をするアジュバントに問題があり「遺伝子ワクチン」は体のどの臓器・組織の細胞に届けられるか不明で「自己免疫疾患」を発生する可能性あり。
ワクチンを打つ前に知ってほしい本当の事!!
2021年4月15日 8:40 カテゴリー:書籍紹介