書籍紹介「貧乏国ニッポン」加谷珪一 著
貧乏国ニッポン
加谷珪一 著 ISBN978-4-34498ー591ー9
新型コロナウィルスの感染拡大で危機に直面する日本経済。政府の経済対策は諸外国に比べて貧弱で、日本の国力の低下ぶりを露呈しました。実は、欧米だけでなくアジア諸国と比較しても、日本は賃金も物価も低水準。
本書は、日本が諸外国から見て安い国になってしまった現実と、その原因、そして対処方法について解説する目的で執筆されました。
1.日本はこんなに「安い国」になっている
日本にやってくる外国人観光客の多くが、実は、安い買い物を目当に来日しています。日本だけが諸外国から取り残され、近い将来、日本人がアジアに出稼ぎに行く日がやってくる可能性も高い。
2.安さだけでない、日本の転落
日本の国際的な地位がここ10年で急速に低下し、1989年に1位だった世界競争力ランキングが、2019年は30位まで低下、実質賃金もここ30年間、ほとんど上がっていません。
3.なぜここまで安くなってしまったのか
日本企業の労働生産性が低く、競争力が下がり、経済成長ができていないことが最大の原因です。
4.モノの値段はどう決まるのか
モノの値段は、大雑把には、短期的には需給で決まり、長期的には中央銀行が供給する貨幣の量で決まりますが、今は過剰なマネーが銀行に眠っている状態で、需要不足で物価が上がりません。
5.そもそも経済大国ではなかった
為替ルートは物価との相関性が高く、最終的には為替は物価で決まります。生活実感に近い購買力評価で決まります。
6.日本の強みをどう生かすべきか?
1億人の消費市場と経常黒字を積み上げた資本蓄積の強みを生かす仕組みを構築すること。
下がり続ける給料、福祉、国際競争力。新型コロナウィルス不況はほんの序章に過ぎない!!
2020年10月1日 8:53 カテゴリー:書籍紹介