書籍紹介「睡眠障害」西野精治 著

睡眠障害
西野精治 著 ISBN978-4ー04-082246-4

1.研究者たちによって睡眠が科学的研究の対象となったのは以下の2つの出来事です。
(1)1953年のレム睡眠の発見
それまで、睡眠は脳と体を休める時間と思われていたため、睡眠中に脳が活発に動くことはないと考えられてました。
(2)「睡眠と覚醒は、脳の自発的な活動で引き起こされている」という概念の提唱
それまで、睡眠は部屋を暗くし音を消したら、自然に眠るものと捉えられていました。つまり、睡眠は受動的な行為だという考え方だった。

2.睡眠と覚醒を司る2つのシステム
(1)ホメオスタシスによる睡眠圧
起きている時間が長くなればなるほど疲れや睡眠を引き起こす物質が蓄積され、眠くなります。
(2)生体リズムによる日内変動
生体リズムで生命活動にもっとも密接に絡んでいるのがサーカディアンリズム(概日リズム)で、地球の自転に対応します。

3.現在わかっている睡眠の役割は5つ
(1)脳と体に休息を与える
(2)記憶を整理して定着させる
(3)自律神経とホルモンバランスを整える
(4)免疫力を上げる
(5)脳の老廃物を除去する
従って、睡眠障害が糖尿病、高血圧、肥満などの生活習慣病のリスクを高めます。

4.睡眠を阻害する5つの要因
(1)痛みやしびれなどの身体的要因
(2)別の病気の治療薬がもたらす薬理学的要因
(3)体温調整などがうまくいかないなどの生理的要因
(4)多くの精神疾患で認められる精神医学的要因
(5)眠れないことに不安を感じる心理的要因
これらの要因を除外診断で潰していっても「それでも眠れない」と判断されると不眠症と診断されます。
なお、睡眠の質を高めるには
(1)起きる時間を一定にする
(2)朝起きたら意識的に太陽光を浴びる
(3)夜は強い光を浴びない事
これらがポイントになります。

睡眠負債による疾患と、体の異常を徹底解説!!

2020年8月20日 9:15  カテゴリー:書籍紹介

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