書籍紹介「病気になる飲み方、ならない飲み方」加藤眞三 著
病気になる飲み方、ならない飲み方
加藤眞三 著 ISBN978-4-8284-2147-6
巷にはアルコールに関する様々な医療情報が出回っていますが、それらは専門医の目から見ると誤っているものが多く、そのために、自分の健康を守りたいと考えて行動しながら、むしろ健康を害してしまう人が少なからずいます。また、アルコールを大量に飲むことで心身を壊していながら、多くの方が医療につながることができていません。
本書では、アルコールに関する健康情報をなるべく具体的に、そして数値をあげて解説しています。基本的に医師の立場から、結論だけを断定的に伝えるのではなく、科学的根拠と医師の経験から得た知恵を伝えることで、読者が自主的に選択し、工夫ができるように解説しています。それでは、いくつかの具体的な項目を紹介します。
(1)毎日、適量を飲む人は、飲まない人より死亡率が低い
一日平均のエタノール摂取量20~30gを目安とする。ビールであれば中瓶(500ml)を1~1.5本、日本酒であれば1合(180ml)、ワインであればグラス(120ml)に2杯、蒸留酒であれば、約10%の濃度に薄めて250~350ml。
(2)ウコン、シジミ、レバーは、アルコール性肝障害を悪化させる
これらの三者は、鉄分が多く飲酒にともなう酸化ストレスの影響が大きい。ヒドロキシラジカルが鉄イオンを介して、酸化ストレスを起こす。つまり、体内の鉄の存在する部位では、酸化ストレスが起きやすい。
(3)度数の高い酒は、咽頭、喉頭、食道がんの危険性を増やす
胃の中では水を飲めば、アルコール濃度は薄まりますが、咽頭、喉頭、食道は濃い濃度のアルコールが通過し、発がんリスクを高めます。従って、蒸留酒は、水割りやお湯割り、炭酸割りなどにより、なるべくアルコール濃度を10%程度に下げることをおすすめします。
(参)エタノール量(g)の計算式(100cc当たり)
度数÷100✕0.8✕100cc
お酒にまつわるホントの話、どこまで知っていますか?
あなたの「酒の常識」は間違いだらけ!!
2020年2月6日 8:58 カテゴリー:書籍紹介