書籍紹介「“超・長寿”の秘密 」伊藤 裕 著

「超・長寿」の秘密
伊藤 裕 著 ISBN978-4-396-11572-2

日本では現在、100歳以上の方が6万人以上に達し、しかもどんどん増えています。一方、110歳以上は146人と極端に減り、100歳と110歳の間には大きな『壁』があります。そのカギを握るのは遺伝子です。しかし、病気を長時間免れて超・長寿者となるには「長寿になれる遺伝子」を持っていることが重要なのではなく、良い生活環境と生活習慣を保つことで、私たち誰もが持っている遺伝子の力を十分に引き出す。つまり「遺伝子をうまく使う」ことが重要なのです。

実は、DNAに書かれた情報(遺伝子)そのものは変わりがなくても、生まれてからの様々な状況(環境や生活習慣)で、その遺伝子の使われ方が変わり「形質」が変わることが明らかになってきました。この現象を「エピゲノム」と呼びます。エピゲノムは遺伝子そのものではなく“遺伝子の構造を超えて”それ以外の方法で遺伝子の機能を調整します。エピゲノムはDNAそのものやヒストンにある種の目印(「メチル基」「アセチル基」などの有機分子)がくっついたり、離れたりすると、その変化がかなり長期間、時には生涯にわてり「臓器の記憶」として残ります。

具体的な「遺伝子が使われる」生活つまりエピゲノムを生じさせるポイントは以下の通りです。

(1)やる気(脳)
やる気が出るためには「ハツラツ」とした気分が必要で、その気分をバネにして周囲の人とモノに興味をもつ「ツナガリ」意欲と、物に対して「ワクワク」する気持ちを持つ。

(2)3つのホルモン
胃から分泌される「グレリン」と心臓から分泌される「ナトリウム利尿ペプチド」が全身の臓器に働きかけ、遺伝子の働きを変え、ミトコンドリアを元気にします。さらに「オキシトシン」は子宮に作用するだけでなく、脳にも働きます。

(3)腸内細菌の改善
腸内細菌が作り出す代謝産物は、ホルモンのように、心(脳の働き)と体に深く関わります。

「超・長寿」の壁を乗り越えるには「遺伝子が使われる」ようにすればいい!!

2019年11月7日 9:09  カテゴリー:書籍紹介

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