書籍紹介「がん治療に殺された人、放置して生きのびた人」 近藤 誠 著
がん治療に殺された人、放置して生きのびた人
近藤 誠 著 ISBN978-4-7678-2550-2
「早期発見・早期治療でがんは治る病気になった」と言われ始めて数十年。
この国では「がんは小さいうちに見つけて取れば治る」と、みんなも信じています。そして、早死にしないために健康診断や、がん検診や、人間ドックを受けています。でもおかしいと思いませんか。
欧米には職場健診なんてないし、胃がん検診も肺がん検診も「延命には役立たない」と、行われていません。
国をあげて早期発見に励んできたのに、1981年から40年近く、がんは日本人の死因1位。ちっとも「治る病気」になっていません。日本人の2人に1人は、いつかなにかの形で「がん」が見つかります。しかし、同じようにがん宣告されて治療をしても、転移が見つかって亡くなる人と、ずっと元気な人、くっきり運命が分かれます。なぜだと思いますか?「本物のがん」と無害な「がんもどき」があるからというのが著者の結論です。
本物のがんは最初から転移が全身にひそむから、切ると暴れて再発が早まる。一方、がんもどきは転移する能力がなく人を殺さないから治療は体を傷めるだけソン。がんの9割は基本ほっといて、症状だけ抑えるのがいちばん安全に長生きできる。これを著者は「がん放置療法」(血液がんは除く)と名づけています。
実は「がんを早く見つけて治療すれば命が延びる」という証拠はなく、検診を受けた人の方が、自殺・事故も含めて早死にしやすいというデータは数多くあります。また、欧米では乳がんのマンモグラフィや、前立腺がんのPSA検診も、廃止が検討・勧告されていますが、日本はいまだに早期発見イケイケ状態。まるで鎖国です。ただ、実際に「がん」が見つかると、人間「なにもしない」のは不安で、夜も眠れなくなったりしやすい。だからまずは、検診や人間ドックを受けないこと。「がんを放置した場合」「早期発見・早期治療した場合」のその後を実例をもとに検証!
がん治療を考える前に必ず読んで下さい。
2019年8月1日 8:42 カテゴリー:書籍紹介