書籍紹介「薬剤師の本音」 宇田川久美子 著
薬剤師の本音
宇田川久美子 著 ISBN978-4-8002-9335-0
ひと口に病気といっても、その原因によって大きく3つに分けることができます。(1)遺伝性などの先天性の病気(2)インフルエンザなどの伝染病・感染症(3)高血圧、糖尿病などの生活習慣病の3つです。
医学の進歩とともに助けることができるようになった先天性の病気はたくさんあります。また、伝染病・感染症は外部からの細菌やウィルスにより発症するため、細菌を殺す抗生物質や、感染による症状を抑え、緩和させる薬は効果的です。
一方、生活習慣病の場合、薬を飲み続けても完治することはありません。それもそのはず、生活習慣病の薬は「病気を根本的に治すもの」ではなく「症状を抑えるもの」にすぎないからです。生活習慣病は、日々の不摂生が原因です。従って「食事」を変えたり「運動」をする時間をつくったりすることなく、ただ病院に通って薬をもらっているだけでは治りません。もし、薬で病気が治るのならば、薬が増えるはずないのに、飲む薬種類が増えているのはどういうことでしょうか?
それでは、何が病気を治すのかというと、それは、私たちの身体に備わっている「自然治癒力」(生体恒常性機能・自己再生機能・免疫力)です。つらい症状を抑えることは決して悪いことではありませんが、症状を抑えてしまうから忘れてしまうことがあります。それは、自分の身体と真摯に向き合うということです。病気の根本的な原因を考えずに「薬があるから大丈夫」という意識が問題なのです。
また、年を重ねるにつれて、身体に不調が出てくることは当たり前のことで、検査をして数値が基準値でないという理由だけで、薬を飲むことは本当に身体のためなのでしょうか。基準値はあくまで「目安」です。生活に支障がないのであれば、老化は自然の摂理と考えませんか。これからは「安易に薬に頼るのではなく、自分の身体が発する声に耳を傾け、不調の原因について考えてみる」ことにしましょう。
厚労省が専門家(医師と薬剤師)のみに注意喚起している「多剤服用」の危険!!
2019年7月18日 8:52 カテゴリー:書籍紹介