書籍紹介「病院に行く前に読む本」千田金吾 著
病院に行く前に読む本
千田金吾 著 ISBN978-4-344-92041-5
患者と医者はどちらも病気を良くしようと懸命に努力をしているのに、結果的に行き違いが生じてしまうのはなぜなのでしょうか。
医者の仕事は100-1=0であって、それゆえに、医者は一つのミスも許されないという気持ちで診療に当たっています。このため患者を救うという目的のために、これまで医者は次のように考えがちでした。
それは「病気を治すためならば、患者さんに多少は無理を強いたりすることがある」とか「情報は共有すると良い類のものもあるけれど、独占すべき時もあるのだ」というものです。
著者が内科の医者として長年にわたって臨床に携わってきた中で、最も反省すべき点は、患者と医者の間の「情報の非対称性(情報格差)」があまりにも大きいことに思いを馳せてこなっかったことです。この情報の格差が最適な機関や治療法の選択を妨げ、時には医者への不信を生むことがあります。
情報の格差を埋めるべく何らかの対処法はあるのか、問題解決のヒントはあるのか、ということを本書は考案しています。しかし、その話を進めるにあたり、日本人の特性を自覚した方が良いと思われます。なぜなら、国民性そのものが医療システムを決めているからです。
それは、
(1)考え方が合理的・論理的でない
(2)物事の指示が具体的ではなく精神論的
(3)お上至上主義
(4)欧米病や世界標準という言葉に弱い
(5)しかし、日本基準を固執する
以上の日本人の特性を自覚した上で、本書は医療現場の裏側を惜しげもなく公開し、病院で満足のいく治療を受けられるコツを伝授。加えて症状別の対処法や気になる医療知識も網羅しています。賢く治療を受けるための100の提言。
病に勝つには医者を知れ!!
2019年6月20日 8:59 カテゴリー:書籍紹介