書籍紹介「最高の死に方と最悪の死に方」 近藤誠 著
最高の死に方と最悪の死に方
近藤誠 著 ISBN978-4-8002-8616-1
人生100年と言われはじめた今、多くの人が恐れていること。それは「苦痛死」です。痛くてのたうち回るのでは。チューブにつながれて動けないのでは。長く生きれば生きるほど、死の恐怖や苦痛も増すのでは。いったいどうしたら、安らかに自然に逝けるのか…。
本書は超長寿時代の「最高の死に方」を医療面から探る、死に方ガイドです。ただし、亡くなる直前の場面だけを語るのではありません。〈いま元気な人たちが、どう暮らしていったら最高の死に方ができるか〉を考える本です。
近年、安楽死が話題になっていますが「肉体的苦痛」による従来型の安楽死の意義は今日、薄れつつあります。痛みや呼吸苦をラクにする、緩和ケアの進歩がめざましいからです。いま先進国で検討が迫られているのは「精神的苦痛」による新しいタイプの安楽死です。
高齢化社会では、老いへの苦悩やボケへの不安も、安楽死の大きな理由になります。ただ日本では、安楽死についての法律がオランダやスイスのように手際よく整備されていくことは考えにくい。日本は何事につけ、法律化が遅いのです。ところが、精神的苦痛を理由とした“安楽死”は、すでに日本でも多々、医師によって実施されています。ただし、「安楽死」と呼ばず「鎮静(セデーション)」という名で末期がん患者さんに限られおこなわれています。
一方、脳がやられても、体さえ丈夫なら、栄養補給によって、植物状態で生き続けられます。栄養補給をしないと、患者さんは2週間程度で亡くなりますが、それでは、病院やクリニックがつぶれてしまう。なんとしても長生きしてもらわば。これが“延命至上医師”たちの本音でしょう。
従って、なるべく医療から遠ざかって暮らすことが、安全に長生きでき、ひいては、安らかな最期につながるたった一つの方法なのです。延命至上主義と薬漬けの医療に「NO」と言い続けてきた医師が書いた人生100年時代の「終活本」!
人生の最期で後悔する人が多すぎる!!
2018年11月15日 8:40 カテゴリー:書籍紹介