書籍紹介「ほどよく距離を置きなさい」 湯川久子 著
ほどよく距離を置きなさい
湯川久子 著 ISBN978-4-7631-3663-3
ほどよく距離があるとき、人は不思議とやさしくなれるものです。人生をある程度長い期間生きたなら、もっと心地いい距離を自分で見つけられる人間でいたいものです。本書で著者が提案するのは、ほどよく距離を置くという心がけ。それは、自分の夫や妻、子どもや、嫁、婿に対して。そして、ご近所さんや、長年の友人に対しても。自分が思っているより、もう半歩だけ、ちょっと距離を置いてみると、いつもより少し、やさしい自分になれるような気がするのです。
近すぎる系は、もつれます。多くの人間関係のからまりは、距離が近すぎるがゆえに起きるもの。著者は、これまで六十年余りの弁護士人生で、ありとあらゆる人間関係の「もつれた系」の交通整理をしてきました。人の心は、法で裁くことはできず、法廷で裁かれる「勝ち」あるいは「負け」が、人生の「本当の幸せ」を決めることはありません。「勝った」はずの人生が重苦しく「負けた」はずの人生が、軽やかで心地いい。そんなことも往々にして起こります。複雑でグロテスクな人間模様を目の当たりにしながら、本当の幸せとはいったい何だろうかと思いを馳せ続ける弁護士人生で得た著者の教訓をいくつか見てみましょう。
(1)後ろのものを忘れひたむきに前のものに向かって進め
大切なのは、今いる場所にしっかり足をつけ、体ごとしっかり前を向くこと。そして、これから歩む道を自分の意思で選び、歩んでいくことです。
(2)争いごとで「命の時間」を無駄にしない
問題を解決するためのカギがあるとするならば、それは和解を前提に話すことです。
(3)時の流れは「一番つらかったこと」を「一番の思い出」に変える
今、つらい環境にあったとしても、それはやがて「あのとき大変だったんだよ」と笑顔で語る、人生の中で指折りの思い出になります。
90歳の現役弁護士が見つけた、自分らしく前だけを見て生き抜く知恵。人を裁かず心をほどく!!
2018年2月15日 9:02 カテゴリー:書籍紹介