書籍紹介「大往生したけりゃ医療とかかわるな[介護編]」中村仁一 著
大往生したけりゃ医療とかかわるな[介護編]
中村仁一 著 ISBN978-4-344-98454-7
「健康寿命」を延ばすことに異は唱えませんが、大事なのは「健康寿命」後です。まだ、人生が終わったわけではありません。医療や介護の利用を最小限にして、いかに要介護状態を生きるか。端的に言えば「要介護期間」の短縮です。「老化」は「成長」と逆の経過を辿り、のみ食いは最後の能力となり、自力でこれができなくなれば「寿命」ということです。
これは、人間だけでなく、あらゆる生きものに共通の最後の姿ですから、排泄の手助けまでは許容できても、自力でのみ食いできなくなった場合は、食事の介護は断り、また、のみこめなくなったり、のみこみが悪くなって誤嚥性肺炎を繰り返すようになった場合には「胃瘻をつくる」「鼻からチューブを入れる」「中心静脈栄養をする」「点滴注射をする」「大量皮下注射をする」などの一切の医療措置は、辞退するということです。
人間には、もともと自然に任せれば穏やかに死ねる仕組みが備わっています。そして、繁殖を終えた年寄りに残された最後の大事な役目は自然な死が穏やかであることを後続の者に見せることです。
その実現のためには、元気なうちから、家族や周囲の人達に「重度の要介護状態で生き延びたくない」旨を伝えておかなければなりません。なぜなら、意識がなくなったり、ぼけで充分に意思表示ができなくなった場合に、代弁するのが家族や周囲だからです。そして、可愛い子や孫のために、今の世界に冠たるいい制度を残すべく、潔く身を引こうではありませんか。
なにはともあれ、家族の絆(ほだし)なることだけは、絶対に避けましょう。
人間の最大の悲劇は、人間らしくない死に方をすること!!
2017年7月6日 8:56 カテゴリー:書籍紹介