書籍紹介「健康診断は受けてはいけない」近藤 誠 著
健康診断は受けてはいけない
近藤 誠 著 ISBN978-4-16-66117-1
日本人の多くは、職場の健康診断や自治体の住民健診、あるいは人間ドックをうけています。現に2013年の全国調査では、20歳以上の健診受診率は62%でした。じつは、日本人は、健康診断やがん検診に関して“井の中のかわず”状態です。
欧米では、がん検診を否定する大きな潮流が生まれています。例えば、
・米国では、2012年に政府の予防医学作業部会が「前立腺がん検診への反対を推奨する」と表明
・カナダ政府の予防医学作業部会も2014年に「すべての年齢の男性に、前立腺がん検診を受けないことを推奨する」と発表
・米国で、2009年に予防医学作業部会が乳房のエックス線検査(マンモグラフィ)による乳がん検診は「推奨しない」と発表
今や、医学界でも「がん検診は無効」が常識化しています。さらに、健康診断についても、日本人は無知なままです。欧米諸国には職場の健康診断制度も、人間ドックも存在しません。理由は「より健康なる」「寿命をのばす」という効果を示すデータが得られなかったからです。健診は過剰な医療介入のきっかけとなり、日本人の寿命を縮めています。それは、例えば、以下の事実によって確認できます。
・血糖値を下げれば下げるほど死亡率は高まる
・ピロリ菌を除菌すると、胃がんが減る可能性がある一方、食道がんが増える可能性がある
・大腸ポリープは、放置してもがんにならない
・降圧剤は、認知症、脳梗塞のリスクを高める
・玄米菜食、肉食制限、糖質制限で死亡率は高まる
安全に長生きするには、健康なときに検査をうけないこと、医者に近づかないことに尽き、検査がアリ地獄に落ちるきっかけとなります。
2017年5月11日 8:52 カテゴリー:書籍紹介